「擬似恋愛論」と「育成ゲーム論」

MWAVEさん

握手会に行くようなフリークじゃなくて、ライトなファンだと「僕の○○ちゃんに彼氏が...裏切られた!」とか思ったりするんでしょうか。そういう気持ちも分からないでもないですが、でもやっぱり共感は出来ないです。

たまに「アイドルとは擬似恋愛だ!」みたいなことを書く(言う)人がいます。はい、それも正解なんですが、そもそも「擬似恋愛」ってなんだろう?
リアルな「恋愛論」ってのは星の数ほど語られていますよね。でも逆に「擬似恋愛論」って語られてるのかな?

「擬似恋愛論」って書くと「二次元とオタク」や「アイドルとファン」を想像しがちだけど、「片想い」も基本は同じ。ですので、「僕の○○ちゃんに彼氏が...裏切られた!」ってのは「片想い」のシチュエーションで考えると自然ですよね。「恋愛論」は「両想い」と「片想い」がごちゃまぜになってますが、「擬似恋愛論」はすなわち「片想いのメカニズム」です。

ただ、「裏切られた!」ってなんだろう?
彼女とは直接的に何の約束もしていないはずなんですが。

実は、アニメ・漫画のキャラクターも、芸能タレントも「全人格であることを望まない(半人格で構わない)」ってのは、考察すると出てくる答えのひとつですが、これは「片想いの相手」に対しても一緒です。要は勝手に肉付けされた部分に対して裏切られたわけです。これも「擬似恋愛論」の重要な要素。

その「全人格であることを望まない」の代表例のひとつ「アイドルはトイレに行かない」ってのは、片想いのあの子の排泄シーンを想像して興奮するのは、(一部の変態さんを除き)一般的ではないことと同じです*1。まあ縦笛をペロペロしたり、内履きの匂いを嗅ぎたい人なら結構いそうですけどね(苦笑)。

「擬似恋愛論」では「恋愛シミュレーションゲーム」も思い出しますが、「アイドル」は「ハッピーエンドの存在しない恋愛ゲーム」です。
ただ、「ゲームはエンディングではなくプロセスが楽しい」のであれば、それを出来る限り伸ばすことが出来る。そこですよね。その中での「裏切り行為」はそのループから強制的に抜けようとする行為を指すものだと言えます。

        • -

それとは別の視点で。
「育成ゲーム論」的なアプローチもします。

アイドルの彼女達を見ていたいし応援したいのであって

芸能界って「予備軍(=タレント系アイドル)が大勢いる中で、最終的に生き残った者だけがスターになれる」という弱肉強食の世界です。我が軍でも今年に入って何度かその光景を目にしているはず。その多くは学業優先だったりですが、その子がイメージに合わなくなったケースもあります。例えば、子役には定年があります。まあどちらにしてもイメージを売る世界には変わりは無いです。

ただ、その視点は、異性と同性では同じではないでしょうね。

例えば野球やサッカーに一喜一憂してしまう場合、「俺だったらこう采配したのに」的な意見はファンなら誰しも持っているところですが、それと同様に女性アイドルに対し女性ファンが「私だったらこうしたのに」ってのはあると思うんです。でも、「男性ファンの夢を壊すなんて何考えてるの!」なんて考える子はマニア思考であって、一般的な女性なら「仕事以前にまず女性であること」の方がプライオリティは高いと思うんです。

ただ、残念ながら新聞・放送局等、マスメディアのいくつか(あるいは大多数)が未だに男性社会でしょうから、このあたりの世論とのギャップはいまだに根強いかもしれませんね。

*1:あるいは、一般社会的に会話が成立しない部分が割愛された結果と見る向きもあるかもしれないですが、今回はそこまで考えないことにします。