ハロプロはどこから来たか?(その1)

システム的には「乙女塾」だの「桜っ子クラブさくら組」だの「東京パフォーマンスドール」だの「制服向上委員会」だのと、1990年前後あたりのどれか(あるいは複数)に答えを求めるのだろうと思います。

これらはどれも「最終的に独り立ちを目指すための修行」的な意味合いがあったと思います。

歴史的なアウトラインを書くと、1970〜80年代型のアイドル歌手は、少女たちの憧れであって、あくまでも最終目標であったのですが、それが軽薄化してしまい。人気もなくなってしまった。
その一方で、タレントのプロモーションの第一段階で「アイドル」を利用してやろうという動きが出てきます。「美少女ブーム」に代表されるCMモデルのアイドル化ですね。たたこれは女優系事務所のアイドル歌手のプロモーション手法として元々あったものが、専業歌手系アイドルの人気下降で、相対的に浮かび上がっただけなんでしょうけど。

私が1990年頃に感じていたアイドル歌手の『ネガティブな印象』を箇条書きでまとめてみます。

  • アイドル歌手としての寿命はせいぜい1〜3年程度
  • 1980年代(特に中頃以降)ビジュアル的な『アイドル』性を重視したことで『歌手』としての魅力を失ってしまった
  • デビューしてもその子が売れるかはやってみないとわからない
    (数打ちゃ当たる方式)
  • アイドル時代でピークを迎えたけどその後上手くいかない

「デビューしてもその子が売れるかはやってみないとわからない」ってのは、現在もありますね。今はCDをリリースするより、イメージDVDを出すほうがコストが安いでしょうから、グラビアアイドルと称する女の子が乱発しています。

乙女塾」等のシステムは、そんな「数打ちゃ当たる方式」の無駄な投資を防ぐための手段なのかもしれないですね。

グラドルもAKBも秋葉原に進出する意味は簡単で、「アイドル=未熟な女の子」だとしたら、アイドル時代はアイドル好きの人たちに「この子がいいよ」と教えてもらって、その後の活動に活かしていきたいってのはありそうですよね。そうすればまだピークを迎えていない、フレッシュな女性を世に送り込めるというわけです。

ということで、AKBやアイドリング!!といったプロジェクトを分析する場合は、以上のことを組み合わせていけば、システム論が出来上がると思います。

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上記は、一般論。

ハロプロの母体となっている事務所のアップフロントは専業歌手系の事務所です。なので元アイドル今女優というレールは敷かれてはいません。バラエティー班もいますが、もともとバラエティーと歌番組は根っこは一緒なので、それを忘れなければ大丈夫かなと。

ただ、1970〜80年型の専業歌手系アイドルの流れの延長線上にありますので、上記の『ネガティブな印象』はすべて該当します。特に「アイドル歌手としての寿命はせいぜい1〜3年程度」と「アイドル時代でピークを迎えたけどその後上手くいかない」は依然として残っています。
これは、つんく♂一人体制が大問題です。彼はロリコンと揶揄されるように、おおむね20歳超えた女性アーティストに的確なヒットが飛ばせません。
例えば、モーニング娘。時代から安倍なつみのソロ曲は他の人にお任せするとか、そういうことが出来たらよかったのですがね。これは、月島きらりBuono!で改善しているようにはみえますが、これはアニメタイアップなので、先につながるのかはわかりません。

それと、彼女たちは「アイドルもどきアーティスト」なので、グッズ売り上げに走りやすい体質かな。なぜならアーティストは自家製(産地直送)をモットーとするので、それは仕方ないと言えば仕方ないのですが、世間はそうは見ていないので、そのあたりのバランスでクレバーにやっていければ、ヲタの負担は減ると思うんですけどね。

ただ、「アイドルもどきアーティスト」で助かっている部分もあります。それは、「元が取れなければ脱げ」とか「旬を過ぎたら脱げ」みたいなヤツですね。

まあ、それはないかなと。
貧乳だらけがその証拠かもしれませんけどね(苦笑)。

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というか、今回はそういう話じゃなくって。
ビジュアル論です(苦笑)。

ほら、この事務所はこういう顔が好きだよね...的な話です。

続きます。