ハロプロエッグブログ閉鎖に関して

続きみたいな。
感情論的な部分はなるべく避けて、マイナス面をまとめてみました。
おにいちゃん頑張ったよ(苦笑)。

大きく別けると三点かな。

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在宅派を拒否する姿勢

よく聞く「在宅(派)」については「引っ込み思案な人達」みたいなイメージを持つ人もおりますので、あまり使いたくない表現ですが、その実態は、地方在住だったり、あるいは海外在住だったり、ハンディキャップを持っていたり、中高生のように金銭的に無理があったり、男性中心的なイメージから近づきにくく感じている女性だったりと、さまざまです。

そもそもFCは、一般的に「(コンサート・イベント・番組観覧の)優先予約」を期待されており、それが目的で加入している人が大多数だと思われます。中には複数枠を確保したいために家族や知人名義で加入する人もいます。
ハロプロ大百科」というタイトルだと記憶していますが...巻末にFC事務局へのインタビューが掲載されていて、そこでは「会員は約10万人」とアナウンスがなされていました、しかしその後、それは3万人にまで落ち込んでいます。これは人気凋落...よりも、全国ツアーがなくなったことで地方ファンが多数離れていったことの方が大きそうです。というのもハロコンで首都圏のヲタさんは相変わらずかなとは思いますが、その一方で、地方からの知人が軒並み去っていったことで、それを肌に感じてはいます。

ですので、今回そのようなアプローチを採用しようとしている努力は認めなくもないですが、それならネットユーザー向けのプランも用意すべきではないかと思います。要は「チケット予約は不要だが、コンテンツは見たい」という人向けの料金プラン。
ただ、プランだけさえ作っても「入らないと内容が判らない」様では、加入するかは微妙です。多分に誰かがブログのアーカイブをアップして、非会員はそれを見ることになりそうな予感はします。いわゆるアンダーグラウンド化です。これは、過去にフレッツ動画が見られない人向けにどんなことが起きたか?...を思い出していただければ理解できそうですね。

これからハロプロを目指そうと思っている女の子達が見られなくなるという矛盾

私的にはこれが一番ヤバいと思う理由です。
前項は、どちらかというと地方ファン向けの話ですが、もうひとつ重要な層があり、それは「これからハロプロを目指そうと思っている女の子達」です。
その層は「熱烈なハロプロファンで、FCに入っている」とは限りません。もともとオーディションは他薦的な要素も高いこともあり、さらに、たまたま別の事務所を受ける目的で買った「デビュー」誌で真野恵里菜を見て、ついでに応募しようと思う読者も多いと思います。
その際に、その子がネット環境を持っている場合、「エッグって何やってるの?」「どんな子がいるの?」と調べるかもしれません。さらに、そこでエッグたちのブログを読んで「楽しそう!」と思うことも重要です。
ヲタレベルだと「?」かもしれませんが、今の子達は「ライバルを蹴落としてトップになりたい」と考えるよりも、「楽しそうかな?」「友達できるといいな」の方が重要かもしれないんです。要は同じ価値観を持っている子達と繋がりたい感覚。この感覚はコアなエッグヲタさんなら理解できますよね。エッグを辞めちゃった子は学業優先も確かにいそうですが、それより「他のメンバーとの価値観の違い」が多いってことを。甘い考えかもしれませんが、長く辛いレッスンを耐えるにはそういった心のよりどころが必要です。
AKB48は色々と問題も抱えているプロジェクトですが、この部分ではエッグよりも勝っているかもしれませんね。

スタッフや共演者達の横のつながりを拒否する姿勢

これは単純に「閉鎖的環境ではリンクしたり、引用することが出来ない」という致命的問題の発展版ですが、対ファンではなく、タレントブログの持つ意味について考えてみます。

現行の「エッグ」オーディションは「アップフロントエッグ」であり「ハロプロエッグ」ではありません。全員が歌手を目指すわけではないんです。

一般論としてですが、対ファンとのつながりは、歌手の場合はCDを出すことはもちろんのこと、ラジオのレギュラー番組を持ったり、コンサートを開催したりと、完璧では有りませんが双方向の手段をもつことができ、それが人気、つまりは一定のファンを確保することにつながります。
一方、歌手以外のタレント、例えば女優で例えた場合、ドラマ・映画・CM出演といった一方向の伝達手段が主となり、ファンの顔がなかなか見えてきません。中には舞台挨拶や、ファッションショーの出演、写真集発売時の握手会・サイン会といった手段はありますが、それは現場に近いファンを相手にしたものであり、実際そこに訪れる人より、遥かに多くのファンが隠れています。ですので、女優のファン数はファンクラブの会員数では計り知れないものがあります。
また、女優の場合、すべての方が開放的ではなく、ラジオを含めた会話が苦手な方もいます。それは演技のスキルには関係ないことですが、それでは人となりを知ることは困難です。ただそんなタイプの女優さんでもブログは書くことができ、それが新たな双方向の手段として注目を浴びることになります。これがいわゆる「タレントブログ」の重要な存在意義のひとつとなります。

もうひとつの存在意義として、タレントのプロモーションに役立てようとする動きがあります。ブログシステムにはカテゴリが用意されていることで、タレント本人とスタッフを区別することができ、そこに本人のプライベートや、メイキング、そしてプロモーションや告知を混在させたり分類することが出来ます。
要は安価なCMSですね。下手なシステムを構築して、プロフィール・スケジュール・ギャラリーの制作に数百万をかけるよりも、ブログ選定とデザイン程度の費用で目的を達成することができます。

エッグブログが作られた経緯について思い出していただきたいのですが、それは間違いなく「劇団オンライン」系の演劇に出演するメンバーのために作られたものです。聞いた話によると*1、当時のエッグはUFWに所属しており、当時の代表取締役の瀬戸さんの下にあったようです。「劇団オンライン」は計画当初、とあるコンテンツプロバイダー(ごめんこれは伏せます)と提携して、小劇場の熱気をそのまま全国に届けようとしていたのですが、当初の目論見からは大分外れた環境下でスタートした模様です。そのプロジェクトも瀬戸さんの下だったようで、そこでエッグ*2と劇団がコラボレートする土壌が生まれたと思われます。そこで抜擢されたエッグたちは、歌だけでなく、演技にもチャレンジして欲しいという願いがあってのものです。
ですので、彼女達を抜擢した劇団の人たちは、正直なところゴリ押しと思った劇団もいらっしゃいそうですが、女優の卵として扱って戴いた劇団には、私もファンとして感謝しています。

さて、そんな形で、女優になることもオプションとして用意されたエッグがいる以上、その子達が積極的に書いているブログを閉鎖することで、彼女達の今後の活動に支障が出てこないかが不安です。というのもスタッフさんも共演者さんも、おおむね全ての人がブログを持っている状況で、「私のブログはFC会員オンリーで非公開だからリンクできません」って言わせるのは酷ですよね。と、同時に向こうがリンクを張って宣伝してくれているのに、こちらは何も出来ないってのは、フェアじゃないですよね。

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...とまあ、以上ですが、瀬戸さんの時代はちゃんと理解してくれていると思っていたのですが、UFAの今の代表取締役に変わってからの動きは、ファンクラブ至上主義なんでしょうか、ちょっと考え方が幼稚なんですよねえ。
もしかしたらブログのもつ効果を一番理解しているのは、当の本人たちかもしれません。彼女達を講師に一度社内セミナーでも開かれてみてはいかがでしょうか?

*1:つまり暴露話です。あんまりこういうこと書きたくないんですけどね。

*2:正確にはハロプロエッグと新たに作られた養成所のアシアシ。