モーニング娘。のブレイク手法(テレビ編)(その2)

続き

先にコメントレス

つまるところ、ハロプロキャリアパスとして「歌手として成功し続ける」というパスが見えづらいのが問題かなと思います。今の状態でもエルダーは十分(女性アイドルの中では)成功していますが、そう感じているメンバーがどれくらいいるのか? それとエルダーの後を追って歌手で生き残るパスがないように見えるのが問題。ここは現メンが何とかして切り開く他ないのですが。

そうですね...テレビにせよ、ステージにせよ、輝いていればそれでいいのですが、あまり深く関わってないけどそこそこ知っているであろう一般人から見た場合「テレビに出ている人=勝組」とみなされてしまうところが、ファンとしては辛いところかもしれません。

今回のコラムはテレビにこだわってみたいのですが、そのテレビを通じてエルダ系アーティストを売り込む場合、一般論的にはドラマ主題歌などといったタイアップを付けがちです。ただ研音やスターダストとは違い俳優がおりませんので不利な面が多い。よって他社とタッグを組むか、はじめから視野に入れないかです。
視野に入れない場合は、「今○○のシーンが熱い」的な売り方や、音楽バラエティショウ的な番組に出続ける策があります。前者は紅白の「アキバ枠」が最たる例でしょうけど、ハロプロやジャニーズのように印象がハッキリしているアーティストは新鮮味が湧かないかもしれません*1。一方、後者の好例は松浦亜弥がMCをやっていた番組なのですが、ジャニーズが積極的だった反面、あまりに消極的で不思議ではありました。あれはちょっと勿体無かった。

あと、名前が売れてちやほやされたいと思っているメンバーは矢口が成功していてうらやましく見えているのだろうなぁ、と思います。とはいえ、矢口型のスキャンダル脱退は許されざること。事務所としては藤本を幽閉状態にしておくことで「第二の矢口脱退」を抑止することができると思っているのかもしれませんけど、いつまでもその状態を続けるとまた逆効果になりそうです。円満卒業でバラエティー進出、というパスが提示できればいいのでしょうけど。

ちょっと回り道しますが。
卒業・脱退は、自分の意思で辞めるケースと、次の活躍の場が決まっているケースに分けられます。
問題は自分の意思で辞めるケースですが、この世界は志が強くないと出来ない仕事です。「自分がやりたくないのにやらされている」ような状況でやっていると、それが伝わってしまうのかファンは減っていく。例を挙げるのはちょっと避けたいところですが、かつてはそういう方がいたかもしれません。

元アイドルの過去話でありがちな「アイドル時代は嫌でしょうがなかった」「下積みだと自分に思い聞かせて我慢していた」ってのは当時のファンとしては一番聞きたくない言葉です。娘。ブレイク以後、かつてのアイドル経験者に再びスポットライトがあたりましたが、その時代を誇りに思っているのか、そういう言葉はあまり出てこない*2
おニャン子でも過去を隠くそうとしていた方が一人おりましたが、結婚したこともあってか、今の時流には乗り切れていない気がします。

矢口真里の場合、責任を取り自ら辞めたことになってはいます。
ただその後の活躍ぶりを見ると、多忙を見越して先手を打ったと思われても仕方がない部分はある。それが前提で「娘。の活動自体を見下している」「娘。の活動には限界がある」ように感じられてしまうことが、矢口真里を未だに許さない人達の大方の意見なのかな...なんて思います。希さんがどう考えているかは別として。
ただ、彼女は「モーニング娘。時代は嫌で嫌でしょうがなかった」という言葉は発していません。まあ「先輩が恐かった」みたいな話は誰にでもあるので、そういうのは省くとして。

地方を差別するわけではないですが、テレビ&ネットオンリーで情報を仕入れている方は、ハロコン矢口真里さくら組の曲を歌った際「ブーイングは無かったよ」「会場はみんなスゲー温かく迎えてくれたよ」とか書いても、多分に頭の中が混乱すると思うのですが、まあそんなもんですよね。

そう考えると藤本美貴はどうなんだろうなあ?...まだモチベーションが上がってないんだろうか?...それとも契約上の何かか?...そのあたりが気になるところです。

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トラバレスもいっちゃいます♪

大学生になってから戻ってくればいいですけどね。ロックとかに目覚めて(?)、今まで聴いていたものが子供っぽいと感じて"卒業"して帰ってこない率の方が高そうな気が。

ええ、ファンは鮭じゃないので、全員が帰ってくるってことはないでしょうね。
やっぱり実際に歌っているところをライブで、あるいはTVで見て憧れる経験がないとそこまで至らないのかも。あ、女の子の場合です。
一方、男子小学生ってあんまし現場でみたことがないんですよ。現場に行きたい衝動は女子小学生ほどでは無いのかも。異性を気にしだす年齢になって、急遽そわそわしだすのでしょうね(笑)。

四つ目は岡田唯に里田の後追いをさせたがっている気配がありますが、バラエティ適性がない現メンには出る幕なしですね。

この部分はちょっと弁護したいなと。
バラエティのゲストに求められるものには大雑把に分けると2種類あると思うんです。

まず、話術に秀でているホストがいて、ある程度知名度や実績があるゲストの意外な一面を引き出してもらい、それを楽しむ...というスタンダードなパターン。NHKの13時頃にやっている番組が正にそうですが、まあそんな硬い感じにならなくても、明石家さんまダウンタウンの番組などは、その性格が強いですね。

それとは別に、芸人然として扱われるゲストもいる。これは欽ちゃんが得意としていた「素人いじり」がルーツなのかな。島田紳助に救ってもらった里田まいはこちらのパターン。
(過去の事例では加藤紀子さんもこのパターン。)
さんまさんはゲストのエピソードを交えたトークから笑いを引き出しますが、紳助さんの場合は立場関係なく素材オンリーで攻める。「おバカ」ってのも「Gカップグラドル」と同様の身体的特徴であって、本職での実績はさほど問わない。逆に考えると相当な覚悟が必要であり、「ヘキサゴンII」はさながらタレント敗者復活戦&新人売り込み合戦のようではある。

娘。現行メンの場合、えてして「実績が無いから後者のパターンだろ」→「でもウケないからバラエティは出られねーよなー」に行きがちですよね。ただ後者のノリでウケたとしても「モーニング娘。のイメージを捨てた」と受けとめられてしまったら、果たしてそれは成功と言えるのか?...という懸念はある。

OGと絡めるってのは、先輩後輩というわかりやすい構図から名前を覚えてもらうことを意図していますが、そのあたりを上手くコントロールして、後者に行きそうになった場合に引き止めてくれることをも期待しての事です。またジャニーズの話になっちゃいますが、そういう部分も上手いですよね。

*1:なので「素晴らしい個性の集まり」で売る手法がベターなんだと。

*2:この前あった意識調査番組の人達は知りませんが...