安倍なつみ/「安倍なつみコンサートツアー2007春 25〜ヴァンサンク」@中野サンプラザ

行ってきました。

まず、包み隠さず伝えると、1階席はほぼ埋まっていたようですが、2階席の約半分が空いていました。その殆ど(全部?)がファミリー席でした。
そのあたりの話は後ほどするとして。
長くなるので袋とじで。

セットリストはこちらを参考に。
22歳の私」の代わりに新曲「Too far away 〜女のこころ〜」(限定盤通常盤)を披露していました。これは今日からのようです。
その他の曲について、私はメモっていないので完全一致しているかは知りません(苦笑)。

まず全曲生バンドだったこと。純粋なハロプロのツアーらしいツアーで生バンドは1999年の娘。春ツアー以来かな?
但しロック一直線っぽい感じではなく、ニューミュージックっぽい感じですね。

バンドライブをやって良かったと感じた部分は、最新アルバム「25〜ヴァンサンク〜」(限定盤通常盤)の曲が瑞々しく、そして活き活きとしていたこと。
特に「愛しき人」はこの構成(ドラム・ベース・ギター・ピアノ・ホーン・ストリングス各1名)の編成に非常にあった曲で、さほど派手でないけれど、いわゆるバンドライブ映えする曲。ライブが終わって再度CDを聴き直すと曲の良さが噛み締める様に判る。長く歌って欲しい曲かもしれない。
「大人へのエレベーター」も派手さはないのですが地に足がついている感じしてとてもいい。
それと「トウモロコシと空と風」も(そして今回やらなかった「せんこう花火」といった曲も)バンドに馴染む曲だと思う。
あと残念なのは昨冬のミュージカルからの曲をやらなかったこと。「愛がある場所」はそれだけでも独立性がある良曲だし、馴染むんじゃないかな。

ただ使えない曲もある。「だって生きてかなくちゃ」もやや力不足な感じがするし、カラオケライブなら間違いなく盛り上がるであろうキラーコンテンツ「恋のテレフォンGOAL」がカットされたのが象徴的なのかもしれない。
これはつんく♂さんの楽曲がバンド向きじゃない云々の話ではなく、オケの完成度が高過ぎて、どうしてもそちらと比較してしまう。結果初期シングルのアッパーな曲の立場がなくなってしまっている。
(これはあややでも似た感想を読んだことがある。)

とまあ、やや印象的に凸凹感があったライブですが、彼女自身の歌唱力は安定しているので聴き応え充分。特に新曲の熱唱ぶりはまだ歌い始めたばかりで荒削り感があるけど、それが逆に心に響く。
それになんと言っても可愛い。25歳でこのピュアさは何なんだろうか。
全体的にまったりとした雰囲気のライブで、オーディエンスの声援の仕方もメリハリがあっていい。疲れた心を癒したい方は是非足を運んで欲しい。

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さて、今後の課題というか、客の入りが芳しくなかったことについて、今の私の気持ちをまとめてみました。
この状況は横浜アリーナの卒業ライブに80万円のプレミアがついたことからすると意外ですし、私自身軽いショックだったりします。
それはワンダフルハーツ系のアーティストに客が取られてしまったこと?...いや違うと思う。
バンドライブに否定的なファンが去ったから?...それは多少あるかもしれない。事務所サイドはなっちファンはどんなことをしてもついて来てくれると勘違いしている部分が強いかもしれない。

ただ、今までどおり守ってあげたい女の子のままだと、このままファンはどんどん高年齢化し、フェードアウトするのは目に見えています。なので新しい安倍なつみ像を模索している最中なのですが、私的には、新しいファンの獲得の機会を失っていることが大きいと思います。
どんなアーティストでも数割は入れ替わっていくと思いますので。

新しい支持者を捕まえる場合、彼女の年齢だと年下の男の子か、同世代の女性をターゲットにするか...のどちらか、あるいは両者だと思います。

年下の男の子をターゲットにしている好例はアイドル声優。彼女達のピークは概ね25〜30歳。2月に横アリを満杯にした水樹奈々さんは同い年だったかもしれません。ファンは高年齢化しておらず、自身より若い子をしっかり捕まえている。
そんな彼女達の曲は恋愛を扱ったものより、やさしく包んであげたい系のものが多い気がします。「愛しき人」の中の「君を守りたい」といった歌詞はよく出てきます。またファンは(ラジオを聴いている)学生(含む受験生)も多いため、将来のことを思い描いている曲も多いかな。そういった意味でも「25〜ヴァンサンク〜」は(安倍なつみ自身が)大人になることへのチャレンジ性が少し出てきているのが一つキーポイントになると思います。
つーか、声優に例えなくても愛内里菜さんとか倖田來未さんを例に挙げればいいんだよな(苦笑)。ただなっちの場合はそういう「ハァハァ」系じゃないから、無理せず彼女自身のスタイルでお姉さんっぽさを演じてくれれば良いかもしれないですね。幼さ・あどけなさを残した(あるいは前面に出した)お姉さんであった方がいい。保母さんっぽい感じがいいね。あ、俺が無類の保母さん好きだたらという理由からではないよ。彼女には母性があるから。肩幅も少し広めでおっぱいも大きいしね。

ただ年下の男の子が憧れる年齢には限度がある。すると女性ファンも重視すべきかなと思う。
なっちファン=男性オンリーみたいな固定観念があるかもしれないけれど(特にコンサートに行かないファンや一般リスナー)、実際ファミリー席に座ると女性ファンが意外といることに気がつくはず。同世代の女性が多いが、ちっちゃい子もいる。これは松田聖子ファンと共通性があり、彼女に自分を投影している部分が大きいと思う。
ただ年下の男の子ターゲット路線と同年代女性共感路線は、相反する部分があるかもしれない。ただ自然体であればそれについてくるんじゃないかなと思います。単純に作詞を担当させればウケるというのは安易な考えで、生き方に共感すると思うので。

どちらにしても、彼女自身が大きく変わる必要はなく、変わるべきは表現方法だと思うのですが、ただ、アピールする場が無いのが残念。
んで、安直に考えるとドラマのタイアップでドカーンでしょうが、それはギャンブルみたいなもの。
私的にはラジオ番組のレギュラーが欲しいところ。出来ればみんなが聴いてくれそうな時間帯がいい。そこで若い子たちを掴んで欲しい...とか書くと、ありさんから何か言われそうな予感もするなあ(苦笑)。まあでもまだ死んでいる子じゃないから、色んなことにチャレンジするチャンスは奪いたくないと思いたいです。