「キャッチーなAメロBメロを書けないコンポーザーが多いからハロプロ以外がつまらない」というお話

ちょっと古い話題かもしれないけど、ごめんね。

「ダラダラ長いからCD売れない」――丸山茂雄“47秒・着うた専用曲”の必要性を語る(ITmedia)

なぜつまらないのか――考えた末思い当たったのは、1曲が長すぎる、とことだ。「昔に比べると1曲がやたら長くて、印象に残るのはサビだけ。言い方は悪いが、サビ以外は付け足しみたいなものだ」

「1曲が長すぎる」は同意なんだけど、「サビ以外は付け足しみたいなものだ」については、主に化粧品などのCMからヒットチューンが生まれてくる1980年前後あたりからそういう傾向はありました。CMがヒットしたので急遽AメロBメロを考えたなんて曲もありますし*1
なので、その時代に今の様なテクノロジーが発達していても似たような現象が起こったはず。今に始まったことではありません。

ちなみに「Desire for wealth」さんはこの件について...

記事ではさすがに触れていないけど、1曲が長いってのは、印税が5分単位で決められてて、5分超えると2曲分の印税になるから…っていうのは無視できない理由だと思う。ちょっと言い過ぎだけどね。

言い過ぎじゃなく、これも正解だと思います。

んで、一応読みましたが、ブックマークを見ると批判的な意見が多いけど、丸山氏の考えは間違っていないと思います。確かに理解できないだけなんだと思う。
ただ「短い」というより「聴いてて楽しい。でもちょっと物足りないからもう一度聴こう!」がヒット黄金律のひとつだと思います。そのためには適度に短い方が有利だということです。

その一方で、私にとっての「47秒」は基本的には「試聴」あるいは着信音などの「お遊び」レベルだと思っています。CDショップの試聴マシーンもiTunes Storeの試聴も大体この程度の長さなので、心理面で耐えられる時間として自然と考えられた数値としての一面もありそうです。なのでフルサイズ(ノーカット)版はCDやiTSを聴いてね(は〜と♪)な道筋をつけていかないとね。
出来れば携帯の音質はあまり追求せずに「音質がいいものを欲しければきちんとステレオで聴け」っていう風にするのが理想かな。今は質が上がっているからAVシステムと兼用でもいいし、iPodとリンクできるものもある、ONKYOの様にコンポに見えるパソコンもあるよね。ロスレスで圧縮して(あるいはAIFFやWAVのまま)でHDDに溜めているひとも結構いるだろうし。

なので、考えは正論で、ただ手段に疑問の余地ありかもしれないですね。

        • -

んで、さらに、オヤジさんのボヤキにつきあう。

 「みんなが短かった時にちょっと長いのを作ると格好いいと思われる。その長い曲を聞いた人は『おっ、格好いいな』とまた長い曲を作り、曲はどんどん長くなっていった。流行ってのは、そうやってできる」

このきっかけを作ったのもビートルズの「Hey Jude」だったはず。

 Jポップやラップには、しっかりした“サビ”があるため着うたで売りやすいが、ロックやシンガーソングライター系の曲はそうもいかない。「彼らの曲はサビがそんなにえぐくない。サビだけキャッチーなのをやったら、よく分からないものになってしまう」

それは日本のロック特有の現象かも。過去にあった「日本語でロックを歌おう」系の論争とか。
ブリティッシュロックだとキャッチーなものは結構多いですよ。ビートルズ再結成ではジョン・レノンの代わりとして参加するのでは?と噂されたエルビス・コステロさんなんかはその代表格かな。

 「昔はプロの作詞家がいて、短い歌の中に言いたいこと全部入れた詞を書いていた。今のJ-POPは、女の子が自分で詞を書いている。理由は印税が入って本人の収入になるから。詞の才能もないのに」

同意。その結果、盗作疑惑が氾濫している。

 「ところが真ん中の人たちが『そんなこと言ったっては長い曲が流行だもんねー』と言ってるから、その人たちが参加するのはもうちょっと遅れる」

とりあえずハロプロ聴いてみたらどうかなあ?
アイドル歌謡はBメロが一切合切手を抜けないので期待通りの作品が見つかるはず。また多くの曲がサビを頭に持ってくることで、AメロやBメロがそれに負けないようにすることが自然と出来ています。つんく♂さんのインタビューなどを読むと「1日1曲を心がけている。これは訓練で出来るようになった。」は割と見かけると思いますが、これも日頃の訓練の賜物だと思います。
歌い手に安易に詞を書かせないポリシーもありますし*2

んで、この記事をこちらサイドの視点で読み返すと、「avexを含め他社にもあれだけいい素質がいながらアイドルものが必ず失敗する」ことと、「ハロプロの曲が海外で受け入られやすい」こと、「つんく♂さんを脅かすコンポーザーなかなかが見つからない」ことの理由が全て入っている様な気がしてならない今日この頃だったりします(苦笑)。

つーわけで、このトピックのタイトルにつながる訳ですね。
まあどちらも同じオッサンなので、若い人には「???」なんだろうけど。ハロプロは私の世代でもストレスなく入っていける数少ない邦楽であることは確かです。
以上(苦笑)。

#1曲の適正時間は2分30秒〜3分30秒以内だと思っている俺も、曲書いてどこか(笑)に送りつけてやろうかなあ...

*1:ハロプロでも1曲ありましたね。でもきちんと作っている方です。

*2:例の盗作不祥事は、お遊びレベルだったからそれを防げなかったということだと思います。