今回の件での事務所の対応について(その7)

トラックバックレス。
およびまとめ系。

蒼き娘。と白き狼〜ハロプロ秘史〜」さん。

ということですが、今までの芸能界の贖罪メソッド*1の流れに乗っているだけであって、UFAだけが重い処分を下してるとは感じられず、この心配がピンとこないんです、はい

「重い処分か否か」は、下にまとめておきました。
また、あちらは大人であることが復帰し易い要因でもあります。何らかのスキャンダルやトラブル・不祥事が発生した場合、その場で釈明をする機会が与えられます*1
一方、今回の様な未成年者の場合、今まで大人顔負け的な売り出し方をしていたにも関わらず、不祥事が発覚すると途端に半人前扱いし、自分や仲間が釈明する機会すら与えられません*2。手足を縛られた上に、人間失格のレッテルを貼られて抹殺されてしまいました。
それとこの不祥事が人気絶頂時の松浦亜弥だったらどうだったのでしょうか? ファン総数が圧倒的に多い安倍なつみだったら?
加護亜依さんの立場を振り返ると、カバーアルバムが好評だったことでシングルもカバー中心で売り出したら苦戦してしまい、辻希美ガッタスの活動に勤しむ機会を利用して心機一転バラエティー界に進出した矢先の出来事です。また代役が存在したことも不幸でした。また後藤真希藤本美貴のようなイメージではなかったことも、彼女のクライアントが小学館プロダクションだったことも、事務所が過剰な反応をしてしまった原因の一つだったと思います。

という部分ですが、加護ちゃんは田中氏のいう「信頼関係」を自らの手で壊してしまったという事実をきちんと考えないといけないと思いますよ。

私のいう「信頼関係」とは「約束を破ったなあ許さないぞお」的なものとは、ちょっと異なるものです。これも下のまとめに登場します。

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つーわけで、ちょっとまとめますね。
それと横レスも自由ですから、遠慮なくどうぞ。

まず、ファン系のブログを見ていて特徴的だったのは「罪を犯したのだから償う(辞める)のは当然」的論調が多かったことです。まあ判らなくはないんですけど、何だか小学生の読書感想文みたいで「今のファンのレベルってこんなものなの?」ってことを世間にさらしまくっているようで、あまり格好いいものじゃあないと感じました。「ファンはアーティストの味方である」が一般的な関係だとすると、「ファンが事務所の味方になっている」論調ばかりでは、かなり変った人種の集まりだと思われるのでは?...と。
もうひとつ目立ったのが「今まで好きだったけど同情の余地が無いからさようなら」という意見。「味方キャラが突然敵になったからやっつけた」とさほど違いは無く、極めてゲーム的な発想だと感じました。

私の一連のコラムは、そのための問題提起であって、「タバコが良いものだ。みんなで吸おう!」というポジションではありませんので、お間違え無きよう。

それと、「罪を犯した」ですが、彼女は実は罪を犯してはいません。
Wikipediaによると。

処分ができるのは未成年者本人が喫煙した以降であり、持っているだけではできず、さらに本人が喫煙時以降に発覚まで所持していなければならず、隠したり、他人に預けたりした場合はできない。

です。
そこにあるのは「吸いました」という自白と状況証拠(週刊誌の文章)だけです。これだけではこの法律には抵触しません。
また「罪を犯した」については...

本法は未成年者本人も罰せられる刑罰法令ではなく、当然、罪も犯していない(第1号・第2号)。ただ単純に喫煙したからといって、家出(第3号イ・ロ)、暴走族や暴力団へ加入(第3号イ・ハ)、売春(第3号ニ)と直結するはずもなく、大麻覚醒剤等の濫用や密売のように重大性がない限り、本法違反のみで審判に付すことはほとんど困難である。

です。
さらに...

一般人の意見と国の考え方

一般人の意見

5. 家庭、学校、地域など社会全体での対策強化等が必要

財務省(国)の考え方

5. 社会全体での取組が必要との認識はもっとも。同時に国も、省庁間の連携・協調を深めたい。

です。
これは「社会からの抹殺」を目指すものではありません。また「未然に防ぐ」と「更生させる」というものはペアで考えないと意味がありません。

ただ、契約解除に対しては「芸能タレント通達」対象者である以上、労働者ではありませんので、労働基準法で守られるべき存在ではありません。よって業務がこれ以上継続できない場合はこれを解除することは違法ではありません。つまり委託側(会社側)のさじ加減ひとつで決まることになります。と同時に「タレントは時には(あるいは常に)弱い立場である」ことが判ります。
前回述べた「信頼関係」とは「約束を守る守らない」ということではなく、ユニークかつ貴重な存在であるアーティストを預かっている以上は、弱い立場として利用するのではなく、対等な立場であって欲しいという意味です。「今までさんざんヨイショしておいて、都合が悪くなったらポイッと捨てる」という状況では「信頼関係」が構築されているとは思えません。

以上の状況から、契約解除は行き過ぎた判断であり、謹慎期間の延長と更生への道を考えることが妥当な判断だったのではないか?...というのが、検証結果の結論です。

ただ仮にこの件で裁判を起こしたとしたら、同様の見解が出る反面、契約解除は妥当(やむなし)とする判決が出る可能性が高いとみています。ただダメージは会社側に与えられます。

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そろそろ飽きていると思うのですが、もうちょっと我慢してね。

まあ、とはいえ、会社側の事情もわかります。
具体的にはこんなことかと。

覚醒剤防止キャンペーンとの兼ね合い
あややがキャンペーンキャラクターになっているアレです。今年もあるの☆カナ

世の中の流れに反応
世間の禁煙への流れに逆行しているというイメージをもたれたくない...ということですね。

増資あるいは上場など、資金調達面でクリーンなイメージを持たせたい
まあ上場はありえないでしょうけど、資金調達面では邪魔な存在かもしれません。

同様に営業活動に邪魔な存在
クライアントに提示する資料の所属タレント一覧から、とっとと削除したかったんでしょうね。

こんなところかな。
その一方で、弊害もあります。

更生させる行為も社会的活動としては認めれるものであること
これは今まで述べてきたことなので割愛します。
「世の中の流れに反応」したのならば、「社会からの抹殺」はむしろ時代の流れに逆行しています。

アーティスト支持層から見放される
これはいわゆる「アーティスト性」「ブランド性」の延長線上の話ですが...
まあ大昔の様に「ロックなんか聴いていると不良になるぞ!」なんてことを言う親御さんはほぼ絶滅したと思いますが、いつの時代も若者が音楽に求めるものは不変です。
(安倍なつみさんのファンならわかりますよね?)
そういえば、最近特攻服に代表されるヤンキー系のファンがめっきり減りましたよねえ...「いまどき特攻服ってwww」って言われそうですけど、まあ姿形には個人差がありますが、そういう支持層の方が実は多かったと思うんですよ。
私からみると倖田來未(やその先輩の浜崎あゆみ)はアイドル歌手フォーマットのアレンジ版だと感じますが、そちら子の方が受けることから、大票田である支持層を取りこぼしているとも言えます。まあ「あんなにケバかったらハロプロじゃねーよwww」かもしれませんが、スタイル云々は関係なくポリシーが窮屈なものになってくると、見放されると思うんです。
なので今残っているファンの多数派が「良い子ちゃん」大好きっ子で、だからこういう意見が多くて、それを事務所も真に受けちゃって、どんどんマーケットが縮小していく...これが「負のスパイラル」のシナリオです。この流れであれば数年程度でこのプロジェクトは破綻します。いやもう破綻寸前だからこうなっちゃったかもしれないです。
まあ、縮小化は今に始まったことではありませんが、この『良い子ちゃん宣言』で今後の飛躍も絶望的かもしれません。結果、アーティスト中心ではなく、テレビタレント斡旋業がメインなる...というシナリオを予想しています。いやもうすでにそうなっていますね。矢口真里辻希美里田まいハロプロ人気トップ3だと一般視聴者は思い込んでいるかもしれないですよね。
(最近私が書いている一連のコラムも、それを本能的に先取りしているものだと思っていただけると幸いです。まあ私はそこまで意識していませんでしたが、深層心理はそうだったのかもしれないですなあ(苦笑)。)

アダルトビデオや暴露本などへの進出
これはどうでもいいです。
というか、彼女が生きるためにそれを選択したのならば、仕方が無いことです。
ただ、世間には様々な仕事があるので、なるべくならば道は踏み外して欲しくは無いですね。

以上です。

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ところで。
UFA代表取締役の川口さんについて。昨年の4月(1月だったかも?)に現UFWの瀬戸さんと入れ替わる形で就任したのですが、それからはUFAではタレント活動への進出がめざましく(加藤紀子さんスタイルで売り出した里田まいさんが代表格)、それなりの評価は得ているのだと思います。だからこそ出来た決断なのでしょう。
ただ、この川口さんはアーティストマネージメント畑の方とは思えません。タレントエージェンシー(悪く言うと人材派遣業)畑の方なんでしょうかねえ?...それならば一連の流れは理解できます。まあ、それを支持するかは検討中ですが(苦笑)。

ちなみに、本来の場所に戻った瀬戸さんも、UFWでコンテンツビジネスを集約するなど販売戦略が明確になってきたので、こちらはこちらで成果はあると思います。もしも私がUFGの人間だったら瀬戸派なんだろうなあ(苦笑)。

先ほどまでの書き込みはお先真っ暗系でしたが、それは双方がポリシー的にかけ離れたものだからで、望みがあるとすれば音楽班(瀬戸派)とバラエティ班(川口派)の『二つのハロプロ』を視聴者に解り易く提示しながらやっていく方法がベターかな。それぞれの目指すものが違うというコンセプトですね。いやドラマ班(役者班)も芽生えてきそうな予感がしますので『三つのハロプロ』かな。

これはSMAPがブレイクプロセスの中で採用した(各々のキャラクター付けのキーワードとして利用した)手法に近いですね。

*1:小倉優子さんの様なケースは、あのような対応をすることで、話題性を保持できるからなんでしょう。ただもうそろそろ飽きられてきましたが。

*2:フライデーの復帰目前記事は、不祥事から随分と経っていることで釈明には値しませんし、あの状況で「アレは実は」的な話を出来る立場にはないでしょう。