今回の件での事務所の対応について(その2)

(その1)で書きましたが、事務所の対応は「混乱はなし」ということで、成果はあったかに見えます。
私もこの段階では「事務所の対応を見守りたい」と書きましたが時間が経過するうちにうちに、やはりというか、腑に落ちない点が心の中に芽生えてきました。

加護亜依さんの存在って、一体なんだったのだろうか...と。

二日間かけ、「腑に落ちない点」をいくつかに整理しました。
長文ですのでたたみます。

「アーティスト性」より「ブランド性」を重視してしまったのか?
いわゆる芸能タレントの力量を量る指標として、「アーティスト性」と「ブランド性」があると思います。
「アーティスト性」の強い例はドラマーやギタリストなどのミュージシャンです。一方「ブランド性」が極めて強い例はファッションモデルです。イメージ性やアイドル性やカリスマ性という言葉もありますが両者を兼ね備えていることもあるので、「ブランド」という言葉が一番相応しいと思います。要は商品価値ということです。
加護亜依さんは歌手としての「アーティスト性」には定評がありましたが、その一方で「ブランド性」も強いタイプではありました。その代表例的なものとして、彼女がリアルキッズ世代に人気のあるブランド服を着ていることを、そのメーカーがある種の宣伝効果として利用したことことがあります。
いわゆる「タレント生命を脅かす」と言われる類のスキャンダルや不祥事を「アーティスト性」と「ブランド性」の二つの指標で分類した場合、ダメージを受けるものは主に「ブランド性」の方だということに気がつきます。
私はもともと写真集やイメージDVDなどにはさほどの興味はなく、彼女を含めたハロプロメンバーには純粋に歌手としての魅力、つまり「アーティスト性」を感じていました。この件で契約解除*1を行ったことは、事務所は彼女たちに対して「ブランド性」を期待してる事になり、大変遺憾です。

監督者役であるはずの所属事務所の責任は?
読んでいて特に虚しかったのは「悪いことをしたから辞めるのは当然」といった旨の発言をしている人達です。「当然」とは一体何でしょうか?
彼女が今回抵触すると思われるものは未成年者喫煙禁止法ですが、これは成年本人に対しては没収以上の刑事処分は下されず、「親権者やその代わりの監督者」が処分される法律です(参考:Wikipedia)。
この法律は未成年者が喫煙をすることは好ましくないという判断から作られているものだと容易に読み取れます。成人にとってみれば「禁止法」というより「防止法」という名の方が相応しいかもしれません。
彼女はまだ未成年で監督者を有する必要があります。現在彼女には両親がおりますが、記事に「一人で東京に出てきた」ということが書いており、その内容が事実としたならば、その役を会社側が買って出たと少なくとも私はそうみなします。そこで起こった不祥事については、面倒を見ている所属事務所側が何らかの社会的責任を受けとめるべきで、彼女一人に全てを負わせるのは現法とのバランスからしてあまりにも重いと感じます。
またこれは抽象的なイメージですが、事務所側の一連の行動から、本人は家族愛的な安心感を持っていたいたのかもしれません。家族であれば、勘当といったことは本来出来ない筈です。
また、業界...というかジャニーズとハロプロのみに処分のエスカレート化が見られますが、これは「芸能タレント通達」による自主規制から端を発しているものだと感じます。多分そんな考えを持っているのはハロプロファン広しといえども私くらいかもしれません。これについては書くととても長くなりますので、機会を見て書きたいと思います。

カウンセリングや教育は行っていたのか?
今回の件は、たまたま勧められて吸ったというより、止められなくなっていたと考えた方が自然です。単に格好良いから吸ってみたレベルであれば懲りているはずです。
つまり喫煙には習慣性があるため、最初の不祥事が発覚した段階でそれを問いただし、常習性が認められると見なされる場合は、成人と同様なカウンセリングによる禁煙対策は必要不可欠だと思いますが、その試みを怠っていたように感じます。

もう少し経てばもっと深い部分が見えてくると思われますが、とりあえずはここまで。

上記のことを踏まえると、本来守るべき(若い頃から勉学を犠牲にしてまで会社に貢献してきた)彼女の将来よりも会社としての面目(ブランドイメージ)を保つことに考えが向かっていると感じられます。このようなポリシーで教育プログラムを実施したとしても、息苦しいだけだと思います。

個人的な意見としては、契約解除ではなく、謹慎期間の延長(復帰プランを一度白紙に戻す)および禁煙カウンセリングプログラムの実施が妥当な判断だったと感じます。
契約解除はインスタントで一見効果的な解決方法に見えますが、実は何も解決していません。これは今ではなく2〜3年後くらいに痛感することになるだろうと感じます。

またファンサイトや復帰応援企画もショックからか閉鎖しているところが目立ちますが、もし今も彼女のことが大好きならば、とりあえずは最低限の保守だけにとどめ、徐々に考えをまとめていくことをおすすめしたいです。利用されるだけですので。

*1:「芸能タレント通達」により、若手人気歌手は労働者としてはみなされないため、「解雇」という言葉は不適切。