アイドル・タレントの声優活動に対する嫌悪感について

続き

前回は「アニメ化の実績のある原作の実写化についての抵抗感」を紹介しましたが、それとは別に「アイドルやタレントの声優進出に抵抗感を持ってしまう」ということもあります。もしかしたらエッグを中心にそういうシチュエーションがあるかもしれませんので他人事ではありません。そこで何故「抵抗感を持ってしまう」のか、ちょっと本腰入れて考えてみました。
(なのでタイトルも変えています。)
理由だけではなく、ハロプロでの類似例や、実際にそうなったらどうなる?...というところまで踏み込んでいる箇所もあります。
それではどうぞ。長いので覚悟してね(苦笑)。

実力が伴わないこと
映画化に伴い、話題性を持たせるためにタレントや有名人をゲスト声優として配役することは多いのですが、それが嫌いなアニメファンもまた多い...ということは割と知られていると思います。実際、下手糞だったりしますしね。
また、テレビアニメでは駆け出しの子をアニメに抜擢させるという傾向がありますが、そのノリも許せないかもしれません。
アニメの話ではないですが、昨年より始まった「劇団オンライン」系事業について。当初ハロプロエッグのメンバーが抜擢されて劇場に上がりました。これはオフィシャルでは語られていない話で、演劇界に明るいハロヲタさんから伺った話ですが、以前に演劇経験のある一部の子を除き現場の声は芳しくなかったとのこと。それもそのはず通常レッスンでは演技指導を行っていないとのことで、ダンスや歌でアドバンテージがあってもセリフを感情を込めて話すことが出来ない。同年代の子でも養成所出身者が多い世界ですから、私の目から見てもその差は歴然でした。そのため最近はトーンダウンしてますよね。
ただ子供キャラにリアル子役を配役することはありますので、その頃から馴染んでいる子は受け入られ易い傾向があります。昔でいうと「富永みーな」が有名ですが、平野綾もこの系統です。「劇団オンライン」でも現在アクティブな子は小学生からスタートしている子です。ここから子役の舞台やアニメへの進出は小学5年くらいから中学1年あたりが適性と感じます。
ただ歌手はある程度キャリアを積めば歌を演じることが出来るようになる。世界観が一本調子な他のJ-POPに比べハロプロはレンジが広い(というかユニークな曲をやらされる)ので、この延長線上であれば技術の習得は早いと思います。

事務所側が条件を持たせてしまうこと
これは「Wkipedia:ジャニーズ事務所」にまとめられています。

・所属タレントの声まで露出が制限される場合もあり、『アストロボーイ・鉄腕アトム』で香取慎吾が演じた役はDVD化の際に手塚眞の声に変えられている。また、香取は『赤ずきんチャチャ』のレギュラーでありながらサントラCDに収録のミニドラマには出演しておらず、ミニドラマでは役の設定を活かした緊急避難的措置で香取の不在を乗り切っている。そのため、ファンの間では「事務所が出演を制限したためではないか」という噂が流れていた。
・原盤権を直接押さえている為に、契約しているレコード会社でも独自リリースが出来ず、それ以外のレコード会社に音源を貸し出すことは原則として認めていない(例外として、エイベックスと契約しているV6が歌った『ウルトラマンティガ』のOP曲『TAKE ME HIGHER』が、2002年以降はコロムビアミュージックエンタテインメントから発売されたCDにも収録されている他、筒美京平松本隆等、今まで多数の楽曲を提供した作詞家・作曲家が、同事務所以外にも提供した作品を多数収録し、発売した作品集にも、楽曲提供している)。また、映像作品の主題歌をソフト化の際に差し替えることは通常行われないが、『赤ずきんチャチャ』は映像ソフトの販売権をキングレコードが所有しているため、ビクターエンタテインメントと契約しているSMAPが歌ったOP曲『君色思い』は放送時(再放送を含む)しか使用できず、ソフト化の際に当時キング専属だった沢田聖子によるカバー音源に差し替えられた。

ジャニーズ事務所に嫌悪感を覚える方はほとんどがこの手の理由だと思われます。私も友人からさんざん聞かされてます(笑)。オリジナリティを大切にする文化でもありますので、事務所の都合でこういうことをされるのは、たまったものではないですね。
一方、ハロプロはどうか?...「きらりん☆レボリューション」のOPで自ら出演して歌い踊る姿は、むしろ対極的にすら感じさせます(苦笑)。

事務所のカラーを出してしまうこと
そこまで我を押し付けられることはなくても、事務所のカラーが邪魔をすることがあると思います。
もし平野綾さんが「神田うのの妹分がアニメ界に進出」なんてキャッチフレーズで乗り込んでいたら、どうします?
同じく富田麻帆さんに「あの巨乳軍団が...」だったら?
多分に身構えると思うんですよね。そう考えると「ハロプロ」というブランドで勝負させない方が賢明です。
アップフロントエージェンシーはあまりゴリ押しはしない事務所なので話せば解ってもらえるとは思うのですが、まず空気が読めないハロヲタが大量に乗り込んできて現場を荒らしていまうという先入観で拒否反応がおきます。「郷に入っては郷に従え」はこちらが少数派であれば可能ですが、それがままならないシチュエーションが危険ですね。
またそれに伴い「ハロヲタうざい」「ハロヲタ恐い」といった先入観もあります。「うざい」についてはアキバ系へのヲタ芸のエクスポートなどで現場での理解感が深まっている印象はありますが、「恐い」という先入観は消えません。アイドル声優ファンは「アニメ好き」というオタク系の共通言語をもっていますが、ハロヲタは「アイドル好き」という共通言語を必ずしも持っていません。もうちょと具体的に書くとハロヲタ=オタクじゃなく、ヤンキー系のファンもいます*1。今後エッグの子が声優などにチャレンジする場合、多分にヤンキー系のファンは興味を持たないと予想しますが、その子だけが好きなアニメファンに対し「今度ハロコンに出ますけど来て下さいね(は〜と)」と誘っても遠慮しちゃうこともありそうな予感がします。

一過性の仕事だと思われてしまうこと
上記と似たような事かもしれませんが、要は「タレントは他にも行き場があるでしょ。声優の仕事を奪う事はやめてくれ。」ってことです。

アイドルはリアルすぎるということ
加護亜依cの不祥事の際、彼女のキーワードでリンクされているブログを読みましたが、ファンや一般人系のブログは彼女を擁護する反面、冷めた目で見ているブログがあり、その多くが美少女ゲーム系のブログでした。実在するアイドルもゲームの中の美少女たちも、疑似恋愛対象としての思い入れ度には何ら変わりはないとは思いますが、実在するアイドルはファンを裏切ることがあります。裏切るという言葉は曖昧で人によって程度は異なり、中には成長(性徴)自体に生理的嫌悪感をもってしまう人もいます。さらにそれはリセット出来ません。
これはレアケースにも思えますが、多かれ少なかれ深層心理的に作用している要素ではありますね。

思い入れが無いと感じさせること
今の若手女性声優は、売れないアイドルからの転身組も多いのですが、声優になりたいという強い意志で入ってきた子の方が結果的によりブレイクしやすいと思います。それは声優自身もアニメマニアだったりすることで、共有感を強く感じてくれると思います。
これもオフィシャルで語られていないことで、エッグファン界隈での定説ですが、ハロプロエッグはまず例外なく、ハロプロが大好きであり、憧れのお姉さんがいることが前提条件になっている様です。そういった子の方が親近感が湧くのではないでしょうか。

とりあえずこんなところで。

ここまで考えた段階で、その逆にアイドル好きの人気声優さんにアプローチする方法はないのかなあ...なんてふと思いました。そういえば(ライブでは水樹奈々に次ぐ動員数を誇る)田村ゆかりさんは重度のアイドルマニアですね。端的にはここの「水野あおい」発言とか。また「高校時代にアイドルの養成所に通っていた」っていうのは聞いた話ではプレアイドル事務所だったと思います。お菓子系雑誌経由でAVに行っちゃう子もいる模様で、彼女がそういう運命を辿らなくて本当に良かったと思います。
閑話休題。ライブでも「この曲は『Mr.Moonlight 〜愛のビッグバンド〜』を意識したんですよ」とか「昔Qlairが好きだったけどみんな知らないよね」なんていう主旨の発言もありました。
俺がスタッフだったら、エッグでフリフリが一番似合いそうな森咲樹ちゃんを彼女に預けて、彼女のラジオやライブを中心にプロデュースしてもらうとスゲー楽しい感じになりそうですね。

*1:昔と比べたら随分と少なくなりましたが、今後のブレイクや成長次第でまた増加するかもしれません。