つんく♂、経営者の感覚を語る

つんく♂、経営者の感覚を語る(ORICON STYLE)

かなりの多言傾向に驚く。いままでの彼のイメージとは全く逆。
ただ、これってTNXがある程度の成功を収めた時点でのインタビューならわかるんですけど、まだ何もしていないのに、もう成功者モードに入っちゃってて「残念なひと」化しちゃってるのが痛いなあ。

以下は引用とその感想。

鮮度を保つという意味では。コンテンツの完成からお客様に届くまでの時間を、既存の経路よりも、より短縮できれば、より新鮮なコンテンツを提供できますから。

その結果がこれです。

先輩であろうと、新人であろうと、僕が興味を持ったクリエイターやプロデューサーと仕事をしようと思っても、今までなら三者なり四者間での刷り合わせが必要でした。それでは頼みづらい。先方にも余計なストレスを与えてしまうし。だけど、TNXでは、極論すれば、僕と先方がダイレクトに話せば済む。その意味でのダイレクトも含みます。

ごめん、これってケースバイケースだと思う。カリスマ化しちゃっているクリエーターがダイレクトに命令しちゃうと、みんな「YES」しか言わなくなっちゃうんじゃないかな?
THE ポッシボー(ハロプロエッグ)で問題視されてるのは「CDの体裁」と「Aiai Music CarnivalのMC」なんだけど(今のところはね(笑))、どちらも小学生でもツッコめるレベルの致命的なミス。でもそれがストレートに現れるってのは「誰も気付かない」んじゃなくって「気付いても言えない」としか思えない。

だから、風通しがいいんです。

やっぱり「裸の王様」化しちゃってるかも。

TNXの出資者は公表されていないのですが(行くところへ行けば判るでしょうけど)、そのえらいひとが、それをつんく♂さんに理解させる為の一大プロジェクトかもしれないね。その教育費用に1億円も出資するってやっぱり大物だよな(笑)。
(でも、まだそれだけつんく♂さんに期待していることの裏返しかもね。)
私的には、つんく♂さんが信頼する(金もって逃げない)誰かが彼よりも前に出て指揮を執るのがいいんだろうけど、いないのかなあ...みんな、つんく♂さんに養ってもらってるって気分なのかな?

さらに...

制作においても臨機応変な対応ができます。そうした細やかさが大切ではないでしょうか。

...とか...

そこはプロデューサーと大きくは違わないと思います。それは楽観視しているってことではなくて。最終的には、お客様に選ばれる立場にいるって意味においてです。レストランにしても、1回目は話題で足を運ばせることができても、料理がマズければ2回目はない。ある意味、ワン・チャンス。そうした感覚を忘れがちなのではないでしょうか、長く音楽業界にいると。だから、お客様に選ばれているという感覚は、経営者であっても、プロデューサーであっても、失ってはいけないと思います。そして、お客様とは一対一のコミュニケーションであるという点も重要でしょう。特に音楽は。その点でも料理に近いと思いますが。

...って、いつの時点のインタビューなんだろう?
今、私たちの前で同じことが言えますか?

問題はこの次だな。

ミッキーマウス型。本人はそこにしかいませんから、会いにきてくだいと。これはダイレクトだし、わかりやすい。僕が小学生の頃に見たアイドルの握手会感覚。演歌の世界には、1曲を1年かけて自ら全国を売り歩き、8000枚売ったなんて話は、きっと珍しくないでしょ。それがアイドルやバンドでもできないわけはない。

「その発想って思いっきりAKB48のパクリだろwww」とは言いません。「会いに行く」なんてのはライブアーティストとしてはごくごく当たり前の話で、あれはキャッチコピーを作った者勝ちなだけ。大昔の竹の子族からスターが...といった仕掛けと大差は無い。

で、問題視しなければいけないのは「可愛い女の子集めて『流さない握手会』をすれば、みんなメロメロになって何度でも何枚でも買ってくれるだろう」ってスタンスなんだよな。
たこ焼き屋さんのトランプでヲタが釣れたのは、ファンのパイがデカいからそういうのも好きなファンも結構いるということで、あれが全部じゃないんだよ。

問題は気合い。時東ぁみには、それがあったから、インディーズでも1万5000枚を売る実績を残せたわけだし。“握手会なんか無駄”と言われた時代もありましたが、今はそうじゃないと思います。

あんまし言いたくないけど、時東ぁみポッシボーも業務提携アーティストで借り物。だからなのか将来像があまり感じられない。アイドルは成長することが醍醐味なので、直ぐにメッキが剥がれてしまうような固定化されたイメージ作りは逆効果なんです。これはアップフロントが一番判っている筈。

ただ、時東ぁみは子役時代も経験している芸歴の長い子で、今回はいわば第二のデビュー。浜崎あゆみ持田香織のようなハングリーさとしたたかさがある。それは決して「気合い」では片付けられない。彼女は青春の1ページでアイドルをやっているじゃないってことがガンガン伝わってくるから、ヘタレなプロデュースでもメディアのウケはいいと思うし、近い将来向うから使いたいと思うようになってくると思うよ。俺が番組制作責任者だったら素直にそう思う。

だけどポッシボーは全員新人。同じ手法ではマズい。「気合い」なんて抽象的な言葉は理解できないと思う。
この調子だと、アップフロントが全額負担し育てた大切な子達を、間違った手腕で無駄に消耗させちゃう気がしてならないんだよね。恩を仇で返すことだけは本当に勘弁して欲しいな。