バッシングと批判の違いについて(その5)

いい加減そろそろまとめます(笑)。

今回の件を、野球場の観客に代えて検証してみます。
例えば同じゾーンにいる3名の方から意見を伺ったとします。
(ソーンは内野席1塁側やや後方といった感じでしょうか。)

A.20歳女子大生の意見。
野球好きの彼に誘われて生まれてはじめて野球場へ行ったんだけど、ファールボールは近くに飛んでくるし><、いい年のオジサンが子供みたいにギャーギャー騒いでいるし、お前そこまで言うかみたいなw テレビで見るより色んな意味でスリリングで楽しかったですw

B.小学生の息子を持つ30歳半ばの女性の意見。
昨晩、将来プロ野球選手なりたいと頑張っている息子と一緒に始めて球場へ行きました。テレビで見るのとは全く違う雰囲気で息子は大はしゃぎでしたが、ファールボールが近くに飛んで危険なのと、野次が下品なのが気になりました。今はサッカー人気に押されて子供たちも気にはなっている様子ですが、もう少し子供が行きやすい環境であって欲しいと思います。

C.28歳会社員(男性)の意見。
会社の付き合いで無理矢理プロ野球の現場に連れて行かされるはめになったが、ファールボールは近くに飛んでくるし、近くの酔っ払い親父のヤジは五月蝿いし、噂どおりの酷い惨状。
もともと嫌いだったが、やっぱりもうこんなところには二度と来るべきではないと思った。

まあAはスルーするとして(笑)、Bに対しては概ね同情的な意見がつき、Cに対しては概ね批判的な意見がつきます。
特にCに関しては半ば確実に「だったら行かなきゃいいのに」もしくは「元々嫌いなんだから否定的な事しか言わないだろ」という反応が返ってくるだろうと思います。

ただ、主催者側としてはBもCも貴重な意見にはなります。

今回は「ファールボール」と「野次」について例えてみましたが、それについての対応は概ねこんな感じになるでしょう。

ファールボールについて。
Bに関しては具体的な対策を検討することになるでしょう。例えば米国の球場を模してグラウンドに近い席を設定した球場があるとのことですが、そういった場所には危険が伴いますのでお客様にはヘルメットを貸し出すなどのサービスを行っていると聞いています。
Cに関しては、「野球の嫌いな人向けに注意点をまとめたパンフレット」を差し上げることになりそうです...って何だよそれ(苦笑)。いやいや「嫌いな人」というよりも「興味の無い」人向けに興味をもってもらうための促進活動が正しい表現ですね。その際に「野球場はこういう危険なこともありますよ」ということを添えてあげるのがミソだと思います。
ハロプロライブではファミリー席の設置や、迷惑行為の禁止ということになります。

野次について。
これはB/C共通で、やはり普段観に来てくれる常連客の意識改革も必要...と言いたいところですが、こればかりはどうすることも出来ないでしょうね。このオジサンはもう何十年もの人生を共に過ごしてきたのですから。
ハロプロライブでは、アイドルライブにおける独特のノリがそれに値します。アイドルライブでの声援手法の歴史は(その2)でお伝えしたとおり古いのですが、ハロプロライブの歴史はまだ10年未満の段階。なのでまだ間に合う部分もありますね。これについてはいま動き始めている段階だと思います。
実際にエルダークラスのメンバーでは、レビュー*1において「着席の義務」および「サイリウムの禁止*2」といった手法を取り入れていたりしているので、そういったライブならば安心して見ることが出来ると思います。
もともとアイドルファンは(着席が原則の)ミュージカルは避けては通れない道ですので、多くのファンは既にそれらの楽しみ方を使い分けていると思われます。
ただ地方のファンは、そういったことに慣れていない部分もありますし、地方では一般客の比率も上がると思います。なのでガイドラインは多少キツめにしておいた方が賢明かもしれませんね。

*1:ミュージカルとライブの中間みたいなもの。

*2:メロン記念日のミュージカルではさらにボード類も禁止