福田花音について

やっとこの話が書ける。
長かったね。
このブログが長々と休止してたのは、仕事の都合が一番大きかったのだけれども、余計なことを書かないようにしたかった、彼女が自分で解決して欲しい...という意味も8%くらいはありました(笑)。

こちらでは感想ではなく分析マターな文章でまとめます*1

2010年の春先から急に始まった福田花音の「シンデレラの生まれ変わり」発言。あれは、ちょうど他の事務所とNHKの間で始まった女性アイドルシーンを盛りあげていこう的な動き*2に乗っかってデビューしてしまった不幸でもあり、あれがなかったら彼女のファンはもっとずっと増えていたのかもしれない。それは痛いほどわかっていたのかもしれないが、何故それをやり続けていたのかは本人に聞くしかないだろう。将来「あの時は言わされていた」みたいな暴露話を捏造する*3ことのないくらい活躍できると良いんだけどね。

さて、本題だが、彼女と他のハロメンとの違い(強制箇所)を簡単に分析すると、この3点。

A) シンデレラの生まれ変わりといった、ファンにとって感情移入しずらいキャラ設定
B) アイドル好きアイドルを自認
C) ヲタ用語を多用

よく槍玉に上がるのはA)であるが、私的にはむしろB)やC)の方に違和感がありました。

漫画で例えてみることにします。

A)については漫画の主人公がシンデレラのようになりたい、坂本龍馬ように生きたいみたいなシチュエーションはありがちだと思うので、切り口は痛いかもしれないが、まあ範疇を逸脱しているとは思えない。ただ許せる範囲としては、その対象者がパブリックドメイン的な存在であるかどうかである。むしろ「そういう事しなくても十分魅力的なのに、なんか余計なことしちゃったなあ」という違和感だけなんじゃないかな?

B)について、道重・生田・譜久村もそうじゃん...かもしれないが、彼女たちは反応をみつつ軌道修正する能力に長け、現在は他社について語ることはまずないと言ってよく「可愛いもの大好きキャラ」「先輩に憧れるキャラ」という範疇に上手く収まっている。ただ花音は、自分の作品の登場人物が「他人」の作品の登場人物をライバル視するようなキャラ設定であり、物語の範疇を逸脱している。ちなみに「ベリの熊井ちゃんに憧れている」であれば、自作キャラ*4であるため問題はないだろう。これは梶原一騎作品における馬場・猪木みたいな感じですかねえ*5

A)やB)に関しては周りの大人も気にしているのか、まあ適宜補正されるであろうから良いとして、無視されがちなC)について。具体的にはヲタ的な目線で自己やアイドルを語りたい衝動に駆られやすいというか、その結果としてヲタ用語を割りとなにも考えずに使ってしまうことがありますよね。
℃-uteメンも「DD」発言があったりしましたが、常識的に考えてファンレターなどを通じてファンから自然に仕入れた言葉なんだろうな...と解釈できますが、福田花音の視点はちょっとそれとは異なるんじゃないかなと。ただし、よくある内輪ネタ(舞台裏ばらし)や、ファンの反応を作品に取り入れる姿勢ともちょっと違いますよねえ。なんだろう...?
そういった話を開演前に同行者としていると、彼から「メタ視点」という言葉が飛び出してきた。ん?...彼が大好きなTRPG関連の用語かな?と帰って調べてみるたところ、よく使われているようで、キャラクター(プレイヤー)が客観的に物語を見つめることらしい。
確かにUSTを見ると彼女は自分で自分へのコールをしますよねえ*6。あれをを見て単に変な奴だと片付けたくなかったので、この言葉を聞いてすっきりしました。

ちなみに、メタ視点についてTRPG界隈以外の定義もざっと読みましたが、自己言及的な意味もあるっぽい。「小説を題材とした小説」のような。転じて「アイドルを題材にしたアイドル」といったところか。
その「アイドルを語るアイドル」の代表格が、いわゆるももクロなんでしょうけど、現在の彼女たちの立ち位置(チャネル)はレーベル的にもアニソンでしょうから、漫画で言えば不条理漫画が好きみたいな層が支持しちゃってる面は捨て切れないかな...なんて考えると、ハロは純粋に漫画らしい漫画を好む世界ではあるね。ジャンプくらいしか読まないか、同人誌も好きなのか?そのくらいの違いはある。

閑話休題
ただ、C)について、彼女はプレイングマネージャー気取りまでには至ってはいない。そこが救いなんですね。悪意も感じないし、わがままな子ではないんです。多分にサービス精神がそうさせるんじゃないかな?

とりあえずここまで。
本来なら福田花音個人の『個性』について分析する必要もあるかもしれないが、それは私の得意とするジャンルではなく、下手に書くと怪我しちゃうんでパスします。ただ言いたいことは「個性は尊重すべき」ってことです。空気読めないのも個性。なんか変なこと言っちゃうのも個性。それでいいんじゃないかな。そこは直す必要はない。ただそれは禁じ手だよってのを周辺がフォローしてあげればいい...ってことだけですね。

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余談。

もしかしたら、福田花音と同じ状況にならないかなと不安な研修生がひとりいて、それは宮本佳林なんですが...福田花音前田憂佳以上に神話みたいなのをファンの中で作りすぎちゃってる感があり、それが後々彼女を苦しめないか不安。もしかしたら、ボーイちゃんが彼女の起用をためらってるとしたら、ファンの過度の期待と本人のキャラクターのギャップなんじゃないかと。どんな曲(ここでいう曲とはカバー曲)でも歌いこなせるタイプでもありますが、同時にどんなタイプの曲(ここでいう曲はオリジナル曲)でも文句がきそうなタイプですしねえ。

工藤も神話作られそうになる直前で娘。に入って、実際まだまだだなあ。でも歌には期待したいから体力つけてね...的なところで止まっているから、彼女には伸びしろがある。

宮本も「本当は大した子じゃないんだよね」的なところから攻めていけると良いんだけどね。

*1:分析マターのマターって何だよ。

*2:その時受けた印象は代理店や大手事務所によるNHKへの「圧力」に近い。そのちょっと前にゴシップ記事もありましたしね。で、その結果、代理店のゴリ押しで現在に至る。その過程の話は...

*3:一年前にもつんく♂さん辞めたらどう?ってアドバイスしてましたから、それはないかな。

*4:ここでいう自作とは、ハロプロ内という意味。

*5:熊井ちゃん=馬場さん、花音ちゃん=タイガーマスクってことか。

*6:初期USTでは花音以外もその行為に関与していたが、彼女が一番積極的であった。