能登有沙、小倉唯、石原夏織、市川利奈、松永真穂、三澤紗千香、寺門仁美/「HAPPY! STYLE Communication Circuit 008」(その2)

感想。

まず、気になったのは「曲についていけない」という人が多かったこと。
ハピスタ古参はハロヲタ流れなのでアニメには詳しくはないですし。

ただ、アニメマニアなら何でも知ってるだろ?ってのも間違いで、作品厨なら気に入らない作品の主題歌は無視でしょうし、声ヲタは自分のお気に入りの声優さんの作品しか興味ないでしょうし。

出来れば、曲目は事前に分かったほうが、発表会的にはいいんじゃないかな?
彼女たちが好きだったら、予習してくると思いますよ。私も一度聴いただけでは「?」でも、2回目で「ああなるほど」と思うこともあるし、メンバーへのフィット感や、成長ぶりもよりわかりやすいですしね。

そんなこんなで、アンケートにはアニメソングにはそれほど興味ない的な事を書いちゃったけど、そこそこ楽しませていただきました。
アイドルポップスファンとして、単なるアニソンよりもキャラソンというか、声優さんが歌う作品の方に食指が動くので、小倉唯の「ゴメンネ」と、まほさちかの「世界と一緒にまわろうよ!」は良かったですねえ。すごく良かったです。
小倉唯はキャラソン歌わすなら釘宮理恵さんもありだなあと思ってたので、正にジャストフィットでしたね。それとまほさちかは「ライオン」とか、あっち方面の曲しか聴けてなかったので、こういったドリーミーな感じの曲はすごく聴きたかったので、こちらも満足。

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さて。

アニメ・ゲーム業界で歌をうたうシチュエーションとしては、歌手(アニソン歌手)はもちろん、声優でもいわゆる「声優系アーティスト」を目指したいといった積極的なケースと、メインはあくまでも声優であって歌は副次的なお仕事といった消極的なケースがあると思います。声優の大雑把な見分け方としてはソロライブを開いたりオリジナルアルバムをリリース「する」か「しない」かといったところだと思います。

アップフロントは歌手事務所ですので、声優であっても基本は「する」方向なんだと思いますが、声優事務所であれば本来「しない」という選択肢も当然ある。まあでも「しない」流れであっても、お年頃(笑)であったら作品内でキャラソンを歌ったり、OP/EDをメインキャストで歌ったりするケースはあって、さらにイベントなどもあるでしょうから、避けれれないでしょうし、まあそのレベルに達するだけでも本人としては一流の仲間入りですから幸せですよね。なので、はぴすたメンバーのモチベーションとしては「歌手として武道館目指します」と「いつキャラソンの話がきても対応できるように」の両者が混在することになるかと思います。私はそれでいいと思っています。

今まではテーマを決め、悪く言えば出演者はそれをこなすだけでしたが、今後は、テーマゆるくしつつ、それぞれの方向性に合わせた作品にチャレンジするんじゃないかなと。
ただ、HAPPY STYLEはカバー、アリスタLIVEはオリジナルといった方向性はありそうで、それは今後もあまり変わらないとは思います。

あとは個々のメンバーをどう育てていくかという部分。

ゆいかおりはイベントでもハモってたりと歌唱力に関してはクリアできていると感じます。さらに、本業の声優でもコンスタントにレギュラーを獲得しつつあります。石原は4月スタートの作品のレギュラーを1本持ってますし、7月以降の作品では小倉唯がいよいよ番組声優ユニットに参加したり、別の作品では主役を務めます。作品人気にかなり左右されますが、状況によってはその作品で彼女を知り好きになるであろう新たな層が一気に増えるかもしれません。
月宮うさぎさんが今回田村ゆかりさんのカバーを2曲披露し、(最近増加傾向にある)ゆかり王国民がかなり熱狂しておりましたが、ゆいかおりの所属レコード会社がが田村と同じキングレコードのMM制作部ということもあり、今後も増えそうですね。というか、それがベースになると思います。

歌をうたう場合、作品のテーマに沿って歌うケースと、そのキャラクターになりきって歌うケースがあります。さらにいわゆるJ-POP歌手のタイアップというケースもありますが、どちらかというとそれはハロプロメンバーマターであって、はぴすたメンバーは、前の二つのいずれか(あるいはその両方)にチャレンジすることになりそうです。
ゆいかおりの場合、「作品のテーマに沿って歌うケース」はあくまでも「ゆいかおり」というユニットがベースになっており、小倉唯石原夏織それぞれソロでは「そのキャラクターになりきって歌うケース」のニーズがより高くなると思います。声優ですから「そのキャラクターになりきって歌うケース」は楽にこなせると思いますが、自分の持つ声質や個性が「作品のテーマに沿って歌うケース」にマッチしない可能性もありますよね。具体的には小倉唯が暗くディープな曲調をこなせるかどうか...その場合、無理に歌わない(他のアーティストにお任せする)といった選択肢もありますし、作り手側で「作品のテーマに沿って歌うケース=そのキャラクターになりきって歌うケース」に持っていくテクニックもあると思います。田村ゆかりさんで表現すると彼女はロリータファッション好きでも知られていますが、甘ロリのような曲もあればゴスロリ的な曲もある...みたいな感じでしょうか。

そういった得意分野を『型(かた)』と定義しましょうか。要は『型』を育てることが今後の課題かなと感じてはいます。ただその『型』は一人一つではありません。二つ持てば大きな武器になります。ただ並大抵の事ではないでしょうけどね。

というか、ここ読んでる人は何の話かさっぽりわからないかもしれませんよね。

ハロプロに置き換えると、嗣永桃子嗣永桃子だし、須藤茉麻須藤茉麻ですよね。嗣永桃子須藤茉麻が中身だけ入れ替わったら、めっちゃ違和感ありますよね? そのあたり上手いんですよ。ストレスを感じさせないというか。
ところが、女優とか声優とかアニソン歌手とかは、は本来、自分自身のキャラクター性が重視されません。そんな世界でアイドル声優を構築するのって、相当むずかしいと思います。大抵(その子がブレイクした)作品の持つイメージに引っ張られてダメになるとかね。女優事務所のアイドルがJ-POPの大御所プロデュースで大コケするとかね。そんな感じです。そこで自分自身の『型』が生きてくると思うんです。

ただ、(声優ではない)アニメ・ゲーム歌手の『型』は本人のイメージとかけ離れてもいい。作品には本人自身は登場しませんので。さらに『型』は複数持っているといい。この場合の『型』はビジュアルではなくなく『声』にフィットしていればいい。要は二種類以上の声で安定して表現力豊かに歌えるとよりよい武器になる。

それはセットリストをもう一度見返すと、なんとなく理解できてくるんじゃないかなと。私的にはそう感じた内容でした。

まほさちかは、キャラクター性の弱いゆいかおりというか、そこまで本人のキャラクター性にこだわらないんじゃないかな。純粋に『声』の『型』に集中してもいい。
声質で言うと三澤は石田燿子さんや橋本みゆきさんっぽく、松永は栗林みな実さんっぽい。栗林みな実さんは水樹奈々さんと同系統だと思うんだけど、水樹さんより歌いやすい曲が多い印象だし、声質がより柔らかいので、うまく育てれば凄いいい感じになると思います。あと松永は小倉の影響で田村ゆかりさんの曲をカラオケで歌うようですが、彼女が歌うと榊原ゆいさんっぽくなるんじゃないかな? やはりダンスは武器になりますよね。

能登有沙はインディーズCDを通じて『型』をより多く持とうとしています。私的には良い方向だと思いますが、その才能を活かしきれる現場が無いのが痛いです。先ほど取り上げた歌手の皆さんは実は美少女ゲームの主題歌でも活躍しています...というか、現実問題として美少女ゲームを無視してアニソンは歌えないですので、そのあたりどうするのかが課題でしょうね。

寺門仁美や市川利奈はどちらかというと、より声優シフトだと思いますが、実写ドラマや舞台を経験していて、それもかなりフィットしていましたので、演劇なども積極的に展開して、その中で声の仕事にもチャレンジしていくという流れが見えてきそうですね。「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」はそういう雰囲気がプンプンしてました。

そのあたり、次回がいつになるか分りませんが、成長を見ていきたいと思ってます。