ハピスタメンに何歌わせるか?(大人メン総括編)

これこれの続き。

長くて退屈な文章だと思うので畳みます。

まず、こういった曲をチョイスした理由はいくつかあります。

のっちに釣られてコミケに行ったヲタさんなら理解できると思いますが、今のオタク系の仕事って、えっちなのとそうじゃないのの境目ってわかりにくい。あ、作品ジャンル的な意味ではなく、声優さんや歌手のお仕事の話しです。「私は品行方正な作品しか出ません!」っては、そのオーディションに行かなければいいのですから、そういうポリシーの声優さんもいらっしゃると思うのですが*1、「モロ18禁はNGだけど、元ネタが18禁でも一般向けアニメだったらOK」って人の方が実態は多いはず。あとは一般向けでもえっち志向な作品もある。今度、小倉唯がやる「お掃除戦隊くりーんきーぱーH」がそう。
UFSの仕事のとり方は大手事務所ならではのものもありますが(SEGA仕事など)、インディーズ活動もやっているので、他の事務所のような「踏み台」チックではない。なので、尚のこと、そういうお仕事の積み重ねが大切になる。

そして、もうひとつの理由は、音楽ファンとして決して馬鹿にできないところ。
私はエロゲは一切やらないんですが、友人にエロゲ好きがいるので、それ関係のライブには何度か足を運んでいます。I'veの武道館(最初の方)も行きました。ドップリ浸かっている人と比較したら未だにビギナーレベルではありますが、そういう環境にいち早くいられたのは感謝しています。
これは、ここでは書かかずに、主にオフ会や感想戦では話していることなんですが、こと音楽業界に関しては、日本の中に、もうひとつ(あるいはもう二つ)の国が存在します。それはアニメとアダルトゲーム。これらの国民はエロゲやアニメが好きであって、同じジャンルの音楽で繋がっているものではないので、国民の音楽的趣向は多岐に渡る。ただ、音楽的趣向の最大公約数は、ファン人口が多くなればなるほど、J-POPと似たものになりますし、クオリティも変わらないものになる。さらに、海外への波及力はJ-POPよりも上だと思いますので、海外の音楽ファンに広く親しまれるものはJ-POPよりも、むしろA-POPになっている(いく)可能性が高い。
これを無視して「アニソン=萌え」みたいな一方的なイメージで捉えちゃうと、話が噛み合わないでしょうね。

さらに、もうひとつ、ファンダムにアーティスト志向の空気感があること。これは「アイドル=タイアップ・商業主義」ではない、ダイレクトマーケティング的な状況が生まれています。端的には「楽曲志向」であること。ハロでも良く聞かれる「神曲」といった言葉はあちらのファンダムが発祥だと思いますし、好きな子の作品でも「良いものは良い」「悪いものは悪い」という考え方はウチらにもあちらにもある。面白いって思ったものは何でも受け入れる土壌もある。まあそれぞれの嗜好性がありますので、面白いものにはそれぞれのクセはありますけどね。感性的にはハロもアニメも似ています。

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それと。
今回紹介した中で2005年ものが多いのは、私が注目していた時期がその頃ってこともあるのですが、クリエイターチームに光が当たったのも丁度その頃で、その後はアニメ界での活躍が中心となり、エロゲオンリーという雰囲気じゃなくなってくる。なので神曲がエロゲ→アニソンに移っていく感じなのかな。でも新たなクリエイターチームが台頭してくれば、また状況は変わってくるのでしょうね。

ざっと聴いた感じでは、この中では個人的にはAngel NoteElements Gardenがフィットした印象です。

理由?...ハロプロとマニア向けアニメ・恋愛ゲーム・アダルトゲームの共通点は、キャラクター志向であること。OPをあわせて紹介したのは、はぁはぁしてもらいたい訳じゃなく、大抵のゲームが数人の女の子を用意していることを見てもらいたいからです。そして、そういったゲームに火がつくと、エロを抜いた形でアニメ化されます。さらにその前後で、登場人物のキャラクターソング(キャラソン)を作ることもある。

I'veはそのキャラソン志向が希薄で、いわゆるアニソン志向(作品イメージ志向)ですが、Angel Noteはキャラソン志向が強い印象を感じました。これは得意不得意...よりも、それぞれがお付き合いしているメーカーさんのポリシーもあるのかな?...そんな感じです。Elements Gardenはその中間かなもしれない。

このコラムのネタ探しにちょこっと協力してくれたSさんのリストの中に、そのI'veの曲が入ってました。

【18禁】Lia鳥の詩
(→YouTube)
(→YouTube)

エロゲで最も人気のある曲のひとつです。いわゆる「国家」ですな。
私も「神曲」なのは認めますが、作品イメージ志向が強すぎると感じたので今回のラインナップからは外しました。ライブの主旨が「エロゲソング大会」ならば全然歌っても良い曲ですが、私はどちらかというと曲より市川・枝川を楽しんで欲しいので、曲が勝っちゃうのでは厳しいかなと。

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ただ、ここまで書いた私の意見は、ハロプロファン側からみたものであって、その背景には、我が軍の慢性的な作家不足がある。しっかりしたキャラソンが作れる作家さんの方が、作品志向な作家さんよりも、こちらでは歓迎されるかもしれません。一つの考え方としてね。

でもしかし、今後のハピスタメンはアニメファンを相手にすることになる。あちらはあくまでも神曲志向であって、歌唱力は必須条件です。

まあただ、真面目に聴いてくれた人なら理解できると思いますが、音程さえしっかりしてれば音色は個性があった方がむしろいいってのは、一般向けのJ-POPよりも幅があり、そのあたりは助かります。でも基礎は大切だよ...ってことかと。

*1:角川が押えている三澤紗千香はその匂いがします。