実態のあるアーティストと実態のないアーティスト(その3)

続き

お詫びが出てますね。
でも当初の意見も尊重したいです。純粋な意見として。

ミクを純粋に楽しんでいる人は音楽好きであることは変わらないのですが、クラフト的な楽しみ方、クリエイティブな楽しみ方のウエイトも高く、そこに音楽としての新しさがあったから受け入られたのかなと分析しています。だから、その作品の出来不出来で否定されても困りますね。下手な人はやがて上手くなる。ジョギングにおける「LSD」みたいなもんですな(笑)。

それと、私の意見の自己レスですが、アニソン的な楽しみ方と似たケースとして、Greeeenのような匿名性の高いユニットが支持されやすい土壌が出来ているってこともありますね。
こんなことを書くとファンの方に怒られてしまいそうですが、「wikipedia:Greeeen」に書かれていることは、匿名性を持つがゆえの創作性を排除するために、ファンだけではなく実際プロのジャーナリストさんや、彼らの周辺にいる方が執筆されている可能性も否定できない。それとは逆に創作が含まれていることも否定できない。もしかしたらすべて創作なんじゃないか?...と感じている人もいるかもしれない。でも多くの人はそんなことは気にせず。曲が良いから...で判断してる。
今は流行のスピードが異常に速くそんなことイチイチ考えていないってこともあるし、音楽配信で人物像を見て楽しむ部分が麻痺してしまっているのかもしれないし、過去例で抗体が出来ているからかもしれない。

抗体って何?
例えばZARDですね。
あれは『実物のあるバーチャル』でした。私は当初あのプロジェクトにはものすごく違和感があったです。素材や形式(作家陣+歌手という手法)はアイドル歌手と一緒なのに、曲調やメッセージ性を「世間が『アーティスト』の言葉から思い受かべるイメージ」に仕立て上げて売るという行為が、何だかとても作為的で、私から見ると馬鹿らしく思えるんだけど、それでも売れた。

んで、これはJ-POPだから受け入られ易く、オタク文化だと抵抗感(薄気味悪さ)を持つってことはありますね。

あとは軽く引用大会。

それなのに最近は何か変なブームが多い。羞恥心とか、おしりかじりとか、ポニョとか、そんなのばかりが注目される。まさか音楽性や歌唱力で売れたとは考えられない。正直腹が立っていた。

これは私は好きですよ。ニーズが違いますね。基本的にはニーズがあってのヒットですから。
共通点はファミリー市場を狙っていること。ヘキサゴンも「ファミリーコンサート」ですしね(苦笑)。

2つ目は、音楽の質だけで勝負しようとしているアーティストのモチベーションが下がることだ。つまり、いくら音楽の質を上げても、奇をてらったものばかりが注目されるなら、自分達のしていることが無駄だと思ってしまっても仕方がないだろう。人のモチベーションはそう簡単にはコントロールできるものではない。

これは違和感あるなあ。

ミクが流行る土壌として、私は商業主義への反抗心もあると思います。

2chでももうちょっと業界寄りの板を見ると「今の音楽業界では作曲家は使い捨て」「作曲家なんて現実には割に合わない」「作曲家に憧れるのはやめたほうがいい」という書き込みは割と見かけます。これは業界の人数を減らす陰謀...と思ってしまう人も中にはいるかもしれませんが、そうじゃなく、「コンペ三昧でもう疲れたよ」みたいな書き込みを見かけると、確かにそうだなあ...と感じてしまいます。

クリエイター(の卵も含む)なら、もっと違った形でも良いから「俺の曲を聴いてくれ!」って欲望があると思うんです。今までそういうのは自分のサイトにMP3を置いて「良かったら聴いてみてください」程度でしたけど、それが初音ミクの登場で一変しました。「ミクに歌わせてみた」と書くだけで聴いてくれる人の数が半端ではない。それと仮歌を依頼するだけでもお金がかかりますが、ミクならソフト代だけですからね。時間はどちらもかかりますが、依頼してレコーディングしている時間があったら調教したほうが早いかもしれない。

それと、聴いてくれるのはニコニコ動画のメインユーザー、つまりアニメやゲームのオタク連中だけかもしれませんが、十分にサンプルになります。というのもアニオタさんやゲーオタさんはアニメやゲームが好きなだけで、こと音楽に対しては多様性を持っているからです。ここはよく勘違いされやすい部分ですね。
(アイドルファンがオタクだけではなく、色んな価値観をもっている人の集合体だってのと一緒です。)
多いと100万ヒットなんてのも夢じゃない世界ですから、別の意味でクリエイター魂に火がつくんじゃないかな。

そのコミュニティの中では...むしろ逆に、

俺は質の高い音楽を聴きたい。昔から俺を感動させてくれたのは音楽だし、今後もそういう音楽を聴き続けたいと思っている。片手間で作った音楽ではなく、そのアーティストか24時間音楽のことだけを考え、試行錯誤し、長い時間をかけてやっと作り上げた、己の全存在をかけたような音楽だ。音から受ける心底からの感動は、そのような努力からしか得られない、と俺は考える。

ってのが存在しているはずですよん。

以上、音楽マニアとしての意見でした。

つーか、いぬいぬさんて音楽マニア兼女体マニアじゃないですか、今回は女体マニアマターな意見が書けなくて、ちょっと消化不良だったよ(苦笑)。