こくっちゃん!!(その2)

続き
但し今回は「こくっちゃん!!」ではなく「Dohhh UP!」や、ハロプロのビジネスモデルのお話。

id:hateringoさん(コメント)。

UFAは基本的にコピー規制には消極的ですね。
これはUFAが日本の芸能関連企業の中でダントツに先進的なビジネスモデルを築いてるからだと思います。
それはGoogleRedhatに代表される「デジタルコンテンツを安価(無料)で提供することで多くの人を囲い込み、それによって生まれる副産物で収益をあげる」というもの。
UFAにはよっぽど世界の趨勢に精通した経営者がいるのか、もしくは天然で突き進んだら上手くいってるのか。
昔からテレビ出演は宣伝と割り切って興行主体で稼いできたUFAならではの嗅覚なんでしょうね

同感です。
ん〜どうでしょう...いわゆるひとつのデータに裏打ちされた野生の勘っつーヤツかもしれませんねえ(苦笑)。
具体的には...

商品(ハロプロメンバー)と宣伝媒体(Dohhh UP!)でヲタを囲い込み、興行やグッズ(会場販売・FC通販)で収益をあげる。
それをすべて自社で賄うスタイルは、規模は違うけどGoogleといっしょです。
デジタルコンテンツを勝手に増殖させ広めているヲタネットワークさえハロプロのビジネスモデルに組み込まれていますね。

...ですね。安倍なつみの写真集と連動したDVDなど試験的なものは始まっています。

ただ私は、最初にビジネスモデルありきというよりも、アーティストの育成や目標...とても奇麗な表現で「夢」をどこに持ってくるか?という姿勢の違いでこうなったと解釈しています。

avex等のメジャーレーベルはシングルヒットが目標なのですが、CDが売れなければその新人はお役御免です。なので1〜2年を過ぎて売れなかったらそれまでのリリースラッシュが嘘の様にフェードアウトしていきます。特にアイドル歌手はある意味「賞味期限」のある「期間限定販売」と考えられがちです。

ただ、これがライブ主体でやっていくのであれば、「日本武道館」や「横浜アリーナ」「さいたまスーパーアリーナ」「代々木体育館」あたりが目標になります。新人であれば直ぐには武道館を満杯にすることが出来できませんから、この角度から見ると1〜2年という短期スパンで答えを出そうとする行為は現実的ではないことがわかります。
これはBerryz工房SSA進出で見事に証明されたことになります。さらに年齢的なもので売れないということは「言い訳」にしかならないということも。
(またFCがアーティスト別ではないことも、このビルドアップ方式の名アシストになっています。)

これがハロプロと他社との大きな違いですが、最近では他社もライブ主体のビジネスモデルを考え始めています。ただいかんせん(ASAYANという)スタートダッシュの違いがありますので、アキバ系などといった小規模なマーケットにとどまっているのが現状です。

ちなみに、私が地方格差にこだわるのは、地方の公演を増やす努力をして欲しい...ということに繋がっているんです。昔のシンガーソングライターは深夜ラジオ展開が多く、地方の下支えがあって全国的な人気に繋がるというパターンがいくつもあったと思います。
とはいえU-15(こちらで言うところのキッズ)は首都圏在住の子じゃないと動けない部分があり、活動地域も制限されます。ただキッズ世代が高校生になるに従って自由度が高まり、かつ(ハロプロ以外の)ジュニアアイドルファンにありがちな「16歳過ぎたらさようなら」には(どうやら)ならなそうなことで、再び全国に目が行くのではないか?とは期待しています。

おっと、閑話休題(笑)。

そういう世界的トレンドにのることができず、廃れていくしかない旧来のビジネスモデルに固執する関係者の多い日本で、UFAの先進性は異質なんでしょうね。

そんなUFAも試行錯誤の上、ここに至っています。
つい最近までフレッツという閉じた世界でコンテンツビジネスを展開していましたし、同じくMaxMuseGyaODRMなサービスです。MaxMuseの正体は知りませんが、他の2社は大手資本がクライアントで、覇権争いで勝ち組になりたいと思うクライアントの目論見の波に呑まれたが為に、世界観をちっちゃくしちゃった感があります。
ところが今ウケている動画配信サービスは、そういった利権や複雑な制約から開放された、なんちゃってストリーミングであるYouTubeや、XMLとMP3さえ用意できれば実は誰でも構築出来てしまうPodcastシステムです*1。私はどちらでも良かったのですが、視覚的効果でよりインパクトのあるYouTube方式を選んだんでしょうね。ただPSPの様なスタイルのVideo iPodが登場するのでは?という噂は絶えませんので、もしそれが現実化したらFLVだけではなくH264を望む声も出てくるでしょう。そうなるとiTunes Storeも活性化すると思いますし、Video Podcast版の「Dohhh UP!」も登場するんじゃないかと期待しています。

本当、ここに気がついたのって、今の日本の音楽業界では奇跡ですね。つーか、単に無駄な金を使いたくないだけかもしれせんが(苦笑)。

そういうUFAだからこそコピー大国中国にも進出できるのかも。
近い将来中国でハロプロ系の公演が開催されて、同世代の女の子が多数派の中国公演を経験することになるのでしょう。

そうですね。
ただ、個人的には、中国語版とか英語版は作らない方が良いかもしれないです。
理由は国内アーティストと同じ土俵に立つと、途端に魅力が薄れてしまうからです。ビートルズでも他言語は初期のドイツ語版の2曲だけですし...
逆に日本語を広めていくというスタンスで考えると楽しい展開が出来ると思います。

*1:アイディア次第で「あぷろだ」をPodcast化できます。