A&Rとは?

音楽配信メモ」さん経由で「POP2*0(ポップにーてんぜろ)」さん。

いわゆる業界の裏方を扱った内容(ゴシップ物ではない)ですが、ハロプロやアイドルのファンも読んでおいた方がいいと思います。

私もその昔、(もしかしたら「サウンドプロデューサー」のつんく♂さんにも影響を与えているのかもしれない)トニー・マコウレイ氏の「PYE(英国のレコード会社)にA&Rマンとして働いていた頃、外部の作家を起用しても上手く行かなかったので、ストックしておいた自作曲を歌わせたら全英No.1になった」という有り難いお話を読んで「A&Rマンてなーに?」と思い悩み調べた記憶があります。
確か日本では海外とは全く別の業務担当者にA&Rが使用されていたかな。いわゆる宣伝マンみたいな仕事に。

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以下は引用。

例えば、アーティストの新譜発売のプランニング会議で、PR会社の人間を集めてプレゼンをさせた場合に、いちばんその分野に詳しい人間がその仕事を得られるような構造になっている。なぜなら、商品への理解が、正しい宣伝方法を導くことを深く理解しているからだ。

これはまさしくそうだと思う。
でも、これって向こう側の人間がすべてやる必要があるかという疑問もある。ハロプロをみているとそう思えてならないんだよなあ。

これまでのレコード会社では、稼ぎ頭のミュージシャンの売り上げは、そのまま本人に還元するわけではなく、新人などの新規投資のほうに回される構造があった(この新規投資には、稼いだ本人の意向も反映されない)。なぜなら、新人の売り込みにはとにかくお金がかかるからだ。よくテレビのバラエティなどで、アイドルの月給が数万円という話を聞くことがあると思う。ミュージシャンの事務所にいた友人に聞いたことがあるのだが、本当に事務所にはお金がなく、不眠不休の社員には最低給料を保証しても、ミュージシャン本人には印税が入るまで数万円の給料を払うだけでやっとなのである。歌番組に出演するのに、アーティスト本人はギャラなしという場合も多い。ゴールデン・タイムの番組に出れれば、宣伝費に換算すれば莫大な費用対効果があり、レコード会社に取ってみれば棚ぼたな話。だから、当人はタダ働きとしても、バックバンドなどはレコード会社持ちでもいいから、宣伝予算からギャラを捻出してでも、喜んでテレビに出ていたのである。雑誌のインタビューにしてもギャラなどPRで相殺がほとんどだから、新人みたいに仕事がないタレントは、金を稼ぐ手段がほとんどないのである。とはいえ、売れて市民権を得るまでには、とにかく露出していく継続力が必要である。この売れるまでの一切合切の金の工面を、自社の稼ぎ頭のヒットメーカーの売り上げからいただいて、新人に投資してきたのである。

鈴木あみ(現:鈴木亜美)のトラブルは正にこれだったのでしょうね。業界内で成功している者、一番合理的に事を進めている者の真似をしたがるのはごく当たり前のことだけど、そこまでのポジションにまだ至っていない。その理解力が足らなかったのかも。
また、ハロプロで考えた場合、Berryz工房℃-ute、そしてハロプロエッグを育てブレイクさせる為には...と考えると、くだらないアンチ行為でベテランメンバーの足を引っ張るのは格好悪いということが理解できる筈(笑)。

会社にしてみれば、いつまでも稼ぎ頭に屋台骨を支えてもらうわけにはいかない。ましてやユースカルチャーであるロックの世界なら、ライバルに出し抜かれないためにも、先行投資の手は抜けないのである。
(中略)
新人に投資したければ、その売り上げを軍資金にして、今度は出資者として新人発掘ゲームに参加すればいいのだ。

あややも稼いだ金でやってみる?
パチンコとかじゃなくってこっちで。
今度は自分が『妹分』を育てる番かもしれないよ。

それと、エージェントとは一生付き合うような長期契約を結ぶため、レコード会社の移籍などにまつわる“メンタルケア”の問題が発生しないのだ。

アップフロントにはエージェンシーとワークスがある。見た目は単に会計上の諸問題で分けているだけのような気がしないでもないんですけど(笑)、素直に当てはめると「面倒見の良い事務所」の謎が解けそう。

しかし今は、そんな優秀な制作者たちにとっても、ファイナンシャル・バックグラウンドとしてのメジャーな会社は必要ないのだ。プロ・トゥールズなどの録音環境が廉価で手に入るようになり、原盤制作費など自前で用意できるようになった。プロデューサー、ディレクターも、自社で制作して流通に載せたほうが、自由でありかつ儲かることに気付いてしまった。山崎まさよしスガシカオらの事務所オフィスオーガスタがユニバーサルと合弁で発足したオーガスタレーベルや、ヤマハ音楽振興会アルフィー中島みゆきらを自社に呼び寄せてヤマハ・ミュージックコーポレーションを立ち上げるなど、近年、アーティスト事務所のレコード・ビジネス参入が活発なのは知られるところだ。

俺も〜(by山崎会長)。

だが、アメリカの「A&R」のひとつのなれの果てとして、売り上げ至上主義がすべてにおいて優位に立つことから、制作者も失敗を恐れ、保守的な商品がはびこることになってしまった現実があったのだ。

avexもそうなりつつあるのかな?

前の輸入盤ビジネスのエントリーでも書いたが、日本人は「レコードを買わない人種」と言われてきた。

それは単純に高いから。
私が米国へ出張していたころ(1987年頃)はCDアルバムが11〜13ドル程度で買えました。
本来の適正価格は1300〜1800円あたりなんでしょうね。

ピチカート・ファイヴフリッパーズ、あるいは小室哲哉氏の時代にもパクリ論争はあったが、彼らには明確なエクスキューズがあった。そういう議論に耐えられるほど、今の音楽業界に諧謔精神があって、それが行われているとは到底思えない。

多分こちらは大丈夫です。
パクリが当たり前という意味じゃない。むしろ逆。
そのあたりの話はいずれ。