ハロプロにおける「萌え」について(その2)

続き

id:JuliusCaesarさん(コメント)

「水着なんてやめてくれ」という人が多い一方で、低年齢メンバーについても「この子はセクシー」という話をする人が結構いるのです(萩原舞については、さすがにネタとしてだと思いますが、それでもネタとして成立しているわけです)。

この手の話で必ずと言っていいほど登場するのが、ハロモニ。のハワイ特集放映後にBPO経由で「日曜日の昼間から水着はやめてくれ」とクレームが出ちゃった件ですよね。
クレームを出した方の当時のシチュエーションは推測するしかありませんが、リアルなクレーマーさんでもない限りは、一緒に見ている家族同士で気まずくなったり...みたいなノリなんでしょうか。ここには時間帯と視聴者層のバランスが微妙に絡んでいるのかもしれません。
(つーか、その昔って、女の素っ裸が沢山出てくるドラマを家族団らんで見てたんだけどね。「時間ですよ」とか。)

ちなみに、当たり前でしょうが地上波におけるU-15の水着放映はNGではありません。
例えば「おはスタ」の夏休み時にも「おはガール」の水着姿が登場しますよね。
(私は「天てれ」見ていませんので、そっちはどうなんだろうか...?)

つまりこれは子供向け番組だからなんだよなあ。
なので、答えは簡単。NHK教育かテレ東の朝あたりでそーゆー番組作っちゃえばいいのです(ははは)。
別に録画しちゃえば見るのはいつでもOKですし(ははは(その2))。

一方、雑誌/書籍ですと、お兄ちゃん向け雑誌・書籍の出版の可能性はゼロでしょうから、これは除外するとして...ローティーンファッション誌の毎年7月号あたりに掲載される水着特集が参考になるかな。お兄ちゃん向けは体型的には背伸び感を要求されますが、こちらはスレンダータイプが多いので、ハロプロキッズファン向けかもしれません。

とまあ、現実的に出来る範囲でのことを書きましたが、現状ではそういうことはさせておりませんから、今後もありえないのかなとは思います。

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話は変わって。

「萌え」というのは、結局「(古代ギリシャ以来の)正統な美と違うものに魅力を感じる」ということなのでしょうか。この「正統」というのは「萌え」に対する糾弾の論理になりますが、「萌え」の側からの「外国の真似はもういやだ」という主張もありうるわけです。

ええ、その通りです。

ただワールドワイドな視点で考えた場合、「萌え」というのは環境や境遇など副次的要素を加味させた上での欲望ですから、相当な日本マニアでもない限り、事前説明無しには理解出来ないと思います。
なので海外では「moe」ではなく「kawaii」の方が解り易いでしょうね。

日本人は「美しい」の他に、褒め言葉としての「かわいい」という引き出しを持ています。「かわいい」には多様な意味が含まれていますが、丁度良いことに「kawaii」のリンク先にこんなことが書かれています。

「幼さに根ざした愛らしさ」

今回扱っているのは正にこれです。意外に思われるかもしれませんが、海外にはそれ相当の言葉が無いんですよね。
prettyもcuteもbeautifulの限定対象版だった気がします。対して「kawaii」は別に子供に限定している訳ではありません。

アイドル歌手は、元来この「かわいい」という指標に則っています。ハロプロのメンバーでもワンダフルハーツメンバーを中心にそのような指標の元で動いていると思います。

で、以下は、大袈裟かもしれませんが、ワンダフルハーツメンバーが海外進出を本気で考えたと仮定して、「kawaii」がどれだけ通用するのかをチェックしていきましょう。

対米国
歌手として米国に進出しても、ヒットを飛ばすのは非常に困難です。
現在放送されているFOX TVの「アメリカンアイドル」を見るとわかりますが、(人種差別の歴史を伴う)多民族国家であるが故に、特定の民族へのアドバンテージは極端に除外され、最大公約数的な実力主義(誰が聴いても上手く聴こえる声の探求)に頼らざるを得ない現状が見え隠れしています。
また、「幼さに根ざした愛らしさ」を支持する男性はカルト的な趣味に捉えられる危険性もあります。
また「何故ハロプロは女性だけなのか?」という疑問も障壁になる可能性があります。「え?」と思われるでしょうが、そういうもんです(笑)。なのでavexのAAAの方が米国進出には有利でしょうね。ただそこまで米国を意識してて楽しいか?という気もしますが(苦笑)。
まあ書けば書くほど悲惨な状況の米国ショービジネス界ですが、ひとつだけ方法があります。それはキャラクターとしてハロプロを売り出すという方法です。PUFFYプリンセステンコーと同じ方法論ですね。ただその覚悟がない限りは止めた方が無難でしょう。よってアニメというフィルターを通せば「kawaii」は市民権を得られますが、それは同時に「kawaii」が非現実的な証拠なのかもしれません。

対韓国
韓国のアイドルユニットは、最初はこんなに「かわいい」イメージでデビューするのですが、やがてこうなります
これはまだソフトな方かな。
韓国の女性アイドルユニットを特集しているサイトを以前見かけたことがあるのですが(失念してしまいました)、確かS.E.S.が日本でもそこそこメジャーだったころに、こういった系統のユニットが結構デビューした模様なのですが、デビュー当時はツインテールのロリロリな感じなのに、いつのまにかMAXみたいになっちゃうユニットが続出していた記憶があります。
私はそれほど韓国文化には詳しくないですが、見た感じ年齢相応の美(美人)を求める傾向が強く、それがそのままアーティストイメージに反映している印象を受けます。
韓国にもハロプロファンは少なからず居るようですが、ハロプロには年齢相応のユニットもあることと、エルダーのクラスになると無理に「かわいい」の世界に押し込めないように事務所も心がけている(のか放任主義なのかわからん(笑))ので、そう見えちゃっているかもしれないですね。
なので気になるのは(美勇伝を除く)ワンダフルハーツメンバーについてですが、上記のことを考えると将来的に今のままのアーティストイメージじゃいられないことを物語っていますので、無理にあちらのリクエストに合わせようとしないで、向こうが興味がないのなら無理に売り込まないというポリシーに徹した方が私はいいと思います。

以上、近そうな国が実は厄介だという話でした。
じゃあその他の国は...理解度の高い国や地域をリストアップしておきます。

対台湾・香港などの中国語圏
特に書く必要はないかな。
今の状況下で魅力は充分に伝わると思います。

対フランス、スペイン、イタリアなどのラテンヨーロッパ
洋楽は今では米国一辺倒なのですが、1960年代頃まではフランス発のヒット曲も多かった筈です。キュートな感じの曲が多かったですよね。そういった意味ではその当時のアイドルポップスのトレンドはフランスをお手本にしておりました。CBSソニーがスタートし南沙織が「17才」を歌うまでは。
そういった歴史もあることから、前出の「kawaii」も米国よりラテンヨーロッパ諸国の方がより理解力があると思います。現に可愛らしいタイプの女性を好む傾向もありますから、実はこの方面が狙い目です。下手したら「ぷにぷに感」などのディティールについての理解力もあると思います。
ここで注目されれば自然にEU圏内に広まるでしょうし、ラテンアメリカに飛び火するかもしれません。
(ファンサイドでは既にその現象が起こっているのかもしれませんねえ。)
放っておいても次回の「JAPAN EXPO」(いつなんだろう?)で”アニメの主題歌なのに声優本人がアイドルの格好をして歌い踊り狂う謎の作品”*1が話題になるかもしれないので、そのときが勝負かな。

とまあ、海外の仕様に無理に合わせるのではなく、「kawaii」を理解出来る国にアプローチし、そこから多の国に波及させて行くことが成功へのカギです。
海外進出で無理矢理海外仕様にさせられたアーティストを見せられるほど、ファンとして辛いものはないでしょうから。

*1:多分、予備知識が無いとそうなっちゃうかも。