時東ぁみ/CD「(2)好きです・・・。」

これだと「時東ぁみ」キーワード来訪者には若干物足りないだろうから、以下は時東ぁみファン向けに。

W(ダブルユー)の1stアルバムでも、オリジナルに敬意を表したアレンジが好セールスに結びついたりしたけど、今回ものその流れは失っていないです。

で、予想通り「SWEET&TOUGHNESS」は95%くらいのレベルでオリジナル(南青山少女歌劇団)どおりのアレンジが施されています。
演奏時間は時東ぁみバージョンが5:16でオリジナルバージョンが5:26ですが、違いはフェイドアウトの時間差くらい。凄いのは両バージョンとも4:45できっちりボーカルが終わっていること!!!
Bメロのオカズ(ピロピロ聴こえる奴)とかも含めディティールはほぼ一緒で、違いは一つ一つの音色の(若干の)違い(これは使用楽器の違いのレベル)と、ミックス後の音像が当時の技術の限界かややぼやけている(オリジナル)かクリア(時東)か程度の違いだと思う。それと集団唱か独唱かの違い。南少はコーラスも自身でやってるからね(時東バージョンはロボットボイス風コーラス)。そのため時東バージョンの方が若干軽めには聴こえます。3:11からの演奏(キーボードソロ?)も時東バージョンは軽めですね。これもオリジナルも3:11から始まっています(時東バージョンが0.5秒くらいオリジナルより早めだな(苦笑))。
なのでオリジナルに最大限の敬意を表していると思います。というかつんく♂さんが確実に南少のCDを購入していたのだという証明にもなるかと(笑)。
執念の作品です。

一方「セシリア・Bの片想い」は20年前の曲なのでビート感はやや今風に作ってますけど、これも基本的にはオリジナルのアレンジを尊重したもの。例えばエンディングのバックコーラスはオリジナルどおりで、これも感動(笑)。
山瀬まみの1st/2ndシングルは松田聖子の作家陣と同じ(呉田軽穂松任谷由実宮城伸一郎)なので曲が悪い訳がない。あとはプロデューサー/アレンジャーの力量次第なんだけど、それに見事に応えてくれている。
でもただ単に蘇らせるだけではなく、山瀬まみの軟質なボーカルと時東ぁみのやや硬質なボーカルの違いを分析して、ちゃんと時東ぁみの「セシリア・Bの片想い」になっているところが凄い。

これはねえ...この時代を過ごしたアイドルマニアなら思い当たるフシがあると思うけど、今風の音だけを求めてオリジナルの良さを殺したアレンジに悩まされたことがあるのよ。高橋由美子麻丘めぐみのカバーとかね。
(例外は山川恵津子さんがアレンジした「Hey! Baby」くらいかなあ。)
そういった過ちを繰り返さない様にしたい...ってのはあるんじゃないかと。

それと、つんく♂さんはビートルズマニアでもある。彼らのカバーした曲はオリジナルを遥かに超えたクオリティを持っていたのですが、意外にオリジナルを尊重したアレンジだったりすることも多かった。たださらに良くしようとする姿勢がすなわち高評価(好評価)に繋がっていったいったんだけど、こういうところをモロに受け継いでいますよね。
(つんく♂さんのことを「どこがビートルズっぽいだよw」みたいな事いう人がいるかもしれませんが、それはメロディーラインとかいう単純なものではなく、曲の構成やポリシー云々の方だと思います。それが言えるのは俺もビートルズマニアだから(笑)。他にも様々な面でそのポリシーは発揮されていますが、それは気が向いたら(笑)。)

それと。 ハロプロもそうなんだけど、つんく♂ワークスの最大の特徴はボーカルがオンミックスされていること。それとボーカルを活かそうとするアレンジに徹していること。なので聴いてて素直に曲世界に没頭出来る。こういう哲学をもった音楽って、そうは無いんだよねえ。

というわけで、私たちは多分に物凄い作品を聴いていることになるんですね。
大切にしてあげてくださいね。