ハロプロはどこから来たか?(その6)

TNXのことはよくわからないんですが、外から見たかぎりでは、ハロプロというパロディがアイドルの本流と勘違いされたことで「じゃあ<アイドル>を業務として真正面からやってみたら面白いんじゃないか」と立ち上げられたのかなーという印象があります。実験といえば間違いなく実験だし、業務そのものにパロディ精神を発揮してしまったという捉え方もあるでしょう。

ええ。
但し、私から見ると「ハロプロというパロディがアイドルの本流と勘違い」というよりも、おニャン子以降思考停止してしまっている人たちに対して、「ハロプロはパロディ」と明示することによって実は『本物』を見せているのかもしれないってことです。『本物』ってのは天地真理とかキャンディーズ、ピンク・レディなどです。
対してTNXは、アイドルが『形骸化』したあとをモチーフにしている。『形骸化』ってのは松田聖子フォロワーです。だから「聖子ちゃんカット」なんでしょうね。>時東&初期ポッシ

ただ、もしかしたら思い描いている「アイドル」像に偏りがあるんじゃないか、あらかじめパロディ化されてる「アイドル」をやらせようとしてるんじゃないか、そんな風に感じることもあります。やっている女のコたちはそんな大人たちの目論見なんかおかまいなしにとても素直で誠実に活動しているっていうのは、どーなつちょー殿の日記を読んでれば伝わってくるんですが。

順応性がめっちゃ高いですよねえ。今の子達って。
「先は見えちゃってるけど、それにのっちゃえ」ってことなのかな。ダメなら学業優先で辞めちゃえばいいですし。

そんなわけで、たまに現役アイドルに『なんてったってアイドル』を歌わせるなんていう、ベタベタに見えて実は夏競馬で僕の買う馬券くらいハズレてる企画をテレビで見てしまうと「わかってねーなぁ」と苦笑が漏れるわけです。

ありゃ元々企画屋さんの薄っぺらい感性で作られた曲ですからね。それを小泉という、自民...じゃなかったアイドルをぶっ潰す勢いのある子がやったから、バランスが取れていたわけで...

某氏

別名「アイドルを食べちゃった人」。
「お前の方が美味しそう」で留めておくのが大人のマナーです。

「音楽仲間」という意識を捨てられない♂氏との最大の違いはそこでしょうね。だから僕は♂氏を否定しきれないわけなんですけど。

クリエイターとしてのつんく♂さんは素晴らしい人だと思います。ただ、人を動かす前に自分でやっちゃうタイプなんですよね。いや、周りは使っているでしょうけど、結局最後には彼の手柄になっちゃうところがね...もうひとつ下の階層に何人か顔の見える人がいて、その人がやっている感が伝わらないと、これからは難しいかな。
んで、そのワーカホリックなつんく♂さんを操縦しているのは、達観したオジサマ軍団な訳です。でも、操縦する人がみな倒れたら、とたんに彼が暴走して、ほどなく爆発しそうですが、そうならないために今がある。

実験だけに自分たちの業務を一歩引いた眼で見る、というのはあって不思議はないとも思うんですが、間違って売り出しが一歩引いちゃう、なんてことがなければいいんですが。ってこれはハロプロにもいえるかも。

あ、ありますよ。
エッグの引き篭もり路線...は、飽き飽きしちゃってると思うので省略しますが、FCの分割は正にそう。アップフロントって割と年齢相応に動くんです。子供は子供、大人は大人というやり方です。

でも、アイドル歌手って年齢の壁を作る必要あるのか?...のは、いつも感じるところなんです。スポーツライクに例えると、フィジカル面で脂の乗り切っている年齢なんですけどね。
つんく♂さんが大人の曲でヒットを飛ばせないのも、それを助長している原因かもしれない。
その一方で、例えば「声優」では20歳くらいからキャリアをスタートする子は多い。ハピスタでも20歳超えが2〜3人います。そこなんですね。
んで、この前の新人公演で大学院生が話題になりましたけど、ハピスタの真似っこなのか、対抗心メラメラなのかわかりませんが、ノープランでその子の人生を狂わすことだけは勘弁です。

で済む話はないわけで、どこへ着地させるつもりなのか。「じゃあ脱いでもらいますか」ってことはやらなさそうですけどね。

ところが、現在進行中の「MM学園 合唱部」って、むしろ「じゃあ脱いでもらいますか」に近いんじゃないかなと。それで赤字を補填したら、そのあとどうするのか?...が見えてきませんし。

「℃-uteは僕の見てきたり知っていたりする<アイドル>像とはまるで違っていて、そういう意味ではアイドルではない」

なんだろう?...そこをもうちょっと考えてみようかな。
オーガさんだけじゃなくて、私の周りも殆どそうです。

手が届かないことを知っていながらも、気が狂うくらいになるほど好きになって、その子が辞めたり結婚したら、もう今にも死にそうになるくらい辛い...みたいなのは、わりと最初の頃だけで、徐々に(抵抗力の強い人だけが)『趣味としてのアイドル』に移行していくんじゃないかな。

でも、その過去を呼び覚ます何かがあるのかもしれません。

あるいは『本物』に触れたのか?

ただですね、多くの人は「俺もう30歳になったから、この子が終わったらヲタ卒するよ」みたいな感じにはなっちゃう。でも趣味ってそうじゃない。「俺もう30歳になったから釣りをやめるよ」ってのはちょっと考え難い。

なので「俺もう30歳だけどヲタ卒しないよ」と持っていきたいところですが...そこにターゲットを絞ってしまい『大衆文化としてのアイドル』が『趣味としてのアイドル』化して失敗したのが1980年代後半なんです。

今のハロはUFIのグッズ構成が酷いのですが、それに頼っていると『趣味としてのアイドル』の域に達して自滅します。あれはあくまでも副次的なものですからねえ...そんな今日この頃(苦笑)。