昭和歌謡について(その2)

続き

今回はなんのこっちゃかさっぱりわからん系なひと向け。
アクセスログを見ると結構スルーされちゃっているので、何故☆カナ?と読み返してみると、そういえば「昭和歌謡」の説明が抜けておりました(苦笑)。
私が知っている範囲で解説致します。

1990年代にはいわゆる渋谷系ブームがありましたが*1、その根底になっているオシャレな音楽の中に何故か「モンドミュージック」がありました。その中でも、あたらし物好きなレコードコレクター*2たちの間で密かに「幻の名盤解放同盟」が作ったキワモノ歌謡曲リイシューシリーズに人気が集まっておりました。
それとはまた別の流れですが、1997年に筒美京平の30周年記念コンピレーションアルバムが各レコード会社から発売されたりもしています。
このあたりが土壌になっています。
その後は「大西ユカリと新世界」らがクローズアップされます。このあたりが狭義の(というか仕掛人らが狙った)「昭和歌謡」だと思いますがどうでしょう?長嶋です...とここまで書いて「キーワード」を読んだらぴったしカンカンでした。ああ昭和のにおいのする表現だな(苦笑)。

ジャンル的にはゴーゴーやグループサウンズ、サイケなどの影響を受けた歌謡曲がそれです。ハロメン目当てでナツメロ番組を見ると、その中でのトップスターは問答無用で橋幸夫さんですが、彼が調子に乗ってきた時にさりげなく演奏される「恋のメキシカン・ロック」あたりもそうですね。初期の和田アキ子もそうかな。つーかこの人初期しか売れてないけどね(笑)。
またキーワードには書いていないけど、ヤマタケとかキダ・タローあたりも(元ネタ的に)含めていいかもしれません。
ちなみに私がこの手の曲で一番好きなのはゴジラ対ヘドラの劇中歌「返せ!太陽を」です。

この微妙なニュアンスでハロプロに目を移すと、まず思い浮かぶのが「シャボン玉」ですね。「シャボン玉」の解説は後日するとして、つんく♂ファミリーだとワンギャル奥村愛子もこの路線です。太シスも片足突っ込んでますかね。もう2年程度後だったらかなりディープになっていたかもしれません。

ただ最近ではムーディ勝山の中ブームもあって、いわゆる歌謡ポップスやムード歌謡もこのカテゴリで語られることもあるし、「歌ドキッ!」の影響でってことでもないけど(笑)、ナツメロ昭和歌謡とみなされるようになってきました。この延長だと歌謡ポップスである「告白の噴水広場」は広義での昭和歌謡に含まれることになります。

一方、ヤングポップス(アイドルポップス)は、もう(レコードコレクター的に)別ジャンルとして確立してますので(「おしえてアイドル 」シリーズとか)、「美少女心理」は昭和歌謡に含めなくても良いと思います。
また、コミックソング渋谷系リイシューブームの前から大滝詠一さんが発掘を手掛けておりましたので、昭和歌謡には含まれません。
テクノ歌謡もそうですね。Perfumeは「昭和歌謡」って言わないですしね。
ただディスコ歌謡はちょっと微妙です。

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じゃあ「美少女心理」って、どのあたりがルーツになっているのか?...なんですが。
いくつか例を挙げます。

南野陽子/恥ずかしすぎて
http://ash-v272.ash.youtube.com/get_video?video_id=LdHZvj3goVs
1stシングル

島田奈美/負けないで…片想い
http://chi-v34.chi.youtube.com/get_video?video_id=iXQK2zWruIY
2ndシングル

この頃のアイドル歌手の1年目は個性云々関係なく、大抵この手の曲をあてがわれます。なんだろうな...いわゆる『アイドル歌手スターターセット』みたいな曲です。これとフリフリパンチラ衣装で一丁上がりですね。
ただその殆どは1年程度で消えますし、この路線で支持される子はこのままですし、個性が出たらそれに沿う楽曲に変化していきます。上の両名は上手くすり抜けて、その後「自分の個性に合った」ヒットを飛ばしていきます。

ただ、おニャン子の様に、ある程度露出をしてスタートダッシュが出来るようになると、この手の曲を飛ばして、いきなり勝負をかけてくるようになります。
と同時におニャン子以外でも、そのセオリーに逆らっている子がマニア受けします。例えば山瀬まみ浅香唯です。山瀬まみは1stシングルからパワー全開状態でしたが、さっぱり売れずに息切れしました。なのである程度見極めるまではこの手の曲で...ってのが経済的なのかもしれません(苦笑)。

たださすがに、畠田理恵の「ここだけの話〜オフレコ〜」あたりではいい加減飽きられてきたようです。
http://ash-v86.ash.youtube.com/get_video?video_id=u6AaSz3jnk8
この曲がコケた時は「曲が合っていない」って声がよく聞こえましたが、時代が求めていないってことの方が強かった☆カナと思います。ただその後の曲は大好きですけどね(苦笑)。

でも、このやり方って今でもあります。
安倍麻美がこの方策で失敗していますし、avex系アイドルも思いっきりやらかしているような気がしてなりません。
多分に安室奈美恵スターターセットとか、SPEEDスターターセット的なものがあるのでしょうね。

一方、ハロプロは何だかんだ言われてもカスタムメイドです。

*1:「ね〜え?」の編曲をされた小西康陽さんがその中心人物のひとり。

*2:変な表現だな(苦笑)。