℃-ute/舞台「劇団ゲキハロ第2回公演 寝る子はキュート」@池袋サンシャイン劇場(その2)

千秋楽も行ってきました(ソワレ(夜の部)のみ)。
まあ、その前にも見たんだけど、前方だったからかぶりつきで、ヨダレダラダラ垂らしながら見てたので、とても書けるレポじゃない(苦笑)。
今回は20列前後の席です。

観る側も場数をこなしてくると、演技の上手い下手もある意味個性として受け止められるようになるのですが、それ以前に声が届かないとどうしようもないことが分かってきます。高校生2人はさすがに分かってきていますが、もう1人私の耳に馴染んでくる子がいました。それは有原栞菜。もともと個人的に好きな高音ハキハキ型タイプなのですが、演技も少なくとも俺が観に来た回ではノーミスだったです。

ただ栞菜cは千秋楽の演技が終わりミニライブに移った直後から最後までずうっと泣いていたんだよな。他の子は泣きながらも笑顔を絶やさない様に努力していたけど、彼女だけ100%ピュア泣き顔になっていた。

何でかなあ...と、ちょっとだけ考えて感じたことは、もし失敗したら何を言われるか分かんないっていう、ある種の極限状態にいて、それが一気に解き放たれたのかな...そんな風にも感じました。
これ以上書かないけど、何が言いたいか理解できるよね。

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以下は地味に分析作業。

ソフトウエア業界用語的に今回の配役の特徴を表現すると、℃-uteのそれはペアプログラミング技法に近いかもしれないね。これは一人でプログラムを作っていくより二人組みで作る方が実は効率的でバグも少ないという、3〜5年前のトレンド的なプログラミング技法。
事実彼女達は二人で一つの役割を任っていた。これは互いのセリフによって人格を補ったり、役割をより印象付けるものかもしれないけれども、同時にペアを組ませることで、これだけ長い劇でも個々の覚える範囲が狭くなるし、お互いをチェックしあえるところに今回の成功の秘訣があったのかもしれない。
実際、矢島舞美以外はペアで行動することが多い。いや、舞美cも普段相手にするのは萩原・岡井ペアなので、ここだけはトリオ的なものかもしれないね。
逆にペア度の低い梅田えりか中島早貴はそれぞれが安定しているということもある。

それと各メンバーの役柄の肉付けがファン目線であったこと。
塩田泰造のムギムギデイズ」によると...

じぶんについて触れてくれてるものは「この人、ヲタ素質があるかも」というものが多かったです(汗)
光栄です。勝手に誉め言葉として受け取らしてもらって

ハロプロはJ-POPよりもアイドルカテゴリの中で語られることが多いのですが、U-15やグラビアの様な昨今のアイドル達と比べてキャラクター性が極めて強く、ファンはある意味2.5次元的な楽しみ方をしていると思います。
2.5次元的な楽しみ方」ってのは、生身の人間に性格を肉付けしていく作業に楽しさがあるってこと。それが結果として本人と異なる人格であっても、それがファンの間で支持されればそれがその子のキャラクターになっていく。

(他の多くの)単発的な作品は内容によって性格を生み出していくもの。それはその物語の中でだけ成立する半人前なキャラクターにしか過ぎないのですが...

二月の頃、脚本を書き始めるまえに ℃-ute を知りたくて一時間だけ面会させてもらったことがありました
ムギムギデイズ 2/11の日記を紐といてみると
「AM。池田稔とともに大きなお仕事の顔合わせにおもむく。
・・ズキュンってこみあげてくる高揚感にときめいた・・
興奮をメインディッシュに池田と立ち食い蕎麦をすすった。」 とあります

...多分に一人前の人格を作った上で、作品をまとめていったんじゃないかなあ...?
その作業工程によって作られたキャラクターが、結果的に俺たちヲタの妄想と上手くシンクロした結果、ファン目線のキャラクターとして完成した。
個人的に良かったのは鈴木愛理演じる彩。さりげないセリフに毒があったり、一見温和そうに見えて実はプチ短気でプチ熱血な感じって、俺が想い描いている鈴木愛理像に近いんだよな。そういうこと書くとファンから殴られちゃうかもしんないけど(苦笑)。

これは、それぞれの作品のストーリーはバラバラであっても、キャラクターの骨格が出来ていて、かつ以前の作品を見ていれば、すんなり次の世界に入っていけるという(小)劇団のコンセプトに近いものがあって、実際に「大人の麦茶」の皆さん(特に男性俳優さんたち)は、普段の「大人の麦茶」のキャラクターに近い雰囲気ですし、その延長で作っていただいたのは嬉しい限りです。

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それとオーディエンスが良い感じでしたね。
千秋楽の昼夜両方で披露された新曲「めぐる恋の季節」が、演劇の制約によって、スタンディング禁止でサイリウムも持っていないこともあり、ハンドクラップオンリーの応援スタイルになっていて、BメロPPPHハロプロ現場では珍しく「ぱんぱぱん」という手拍子の音がハッキリ聞こえたこと。それと間奏が徐々にPPPHになっていったことが素晴らしいです。PPPHは別にBメロ芸じゃないから、これでいいんだよね。なんか昔の現場もこんな感じだったよな...って、別の意味で感動した(苦笑)。

最後の最後でスタンディングオベーションもありましたし。やっぱり彼女達は(今は)いい環境で育っているね。