「アイドル」キーワード変更のお知らせ

すっかり忘れてた(苦笑)。
これ...

  1. 人気者に対して与えられる称号のひとつ。
    辞書に載っているアイドルそのものの意味だが、日本では(人間/動物問わず)人気者(物)の中で、特に「かわいらしい」「若々しい」「守ってあげたい」といった形容詞がつきやすい対象者(物)にのみこの表現を用いる。いわゆる「アイドル」という言葉が安売りされている現在、これらの者(物)には「国民的アイドル」「トップアイドル」「人気アイドル」「スーパーアイドル」といった表現がなされていることが多い。

...を...

  1. 人気者に対して与えられる称号のひとつ。
    辞書に載っているアイドルそのものの意味だが、日本ではTHE BEATLESのアルバムの邦題「4人はアイドル」として使われたことから、転じて若者層から熱狂的に受け入れられる歌手・アーティストに好んでこの言葉が使われるようになった。しかし「アイドル」という言葉が安売りされている現在、これらの者には「国民的アイドル」「トップアイドル」「人気アイドル」「スーパーアイドル」といった表現がなされていることが多い。

に変更しました。

ちなみに大雑把な時系列も書きましたが、これはキーワードには載せていません。
こんな感じで。

本来の意味は「2」。
週刊少年サンデーの創刊号の表紙は当時から子供たちの憧れの的であった長嶋茂雄。もしこの時彼に「アイドル」という言葉が使用されていたら、今のアイドル産業は無かったかもしれない。

「アイドル」という言葉が芸能界にいつ輸入されたのか、はっきりとはしないが、ザ・ビートルズ「HELP!」の邦題に「4人はアイドル」というタイトルが使用されたことで、「アイドル」=「若者層に熱狂的に受け入れられる人気者」というイメージを強烈に印象づけることになる。しかし当時その日本のフォロワーたちに「グループサウンズ」という代名詞が付いたことから、「アイドル」という言葉はこの時点では大衆化に至らなかった。
しかし、1971年頃から海外のカバーに依存しない、独自のヤングポップスが発展し始め、熱狂的な支持を持つ若手歌手に対し「アイドル」という言葉が浸透し大衆化する。
「アイドル」というキーワードを得たことで「アイドルポップス」という他の国では見られない独自の進化を遂げる音楽文化が発展することになる。

ヤングポップスが 進化するにつれ、1970年後期頃からアイドル歌手の定石化が進行し、1980年デビューの松田聖子など爆発的な人気を獲得する歌手が生まれる一方、『売れないアイドル』といった本来の意味から逸脱する言葉も生まれる。
また定石化によりターゲットを大衆層から支持層に移していったことにより、1980年中頃から大衆層から乖離してしまい、1990年前後の歌謡番組終焉がさらなる打撃となり、また旗振り役であったCBSソニーがアイドル歌手の契約を打ち切ったことで、一気に衰退してしまう。これがいわゆる「アイドル冬の時代」である。

しかし、時代は常にアイドルを要求していくことには変わりはなかった。
アイドル歌手受難の時代には、CMモデルや子役の所謂「美少女」ブームが発生し、これが「チャイドル」→「ジュニアアイドル」・「U15」と発展し今に至る。
また、世間の欲求は女子アナウンサーまでに及び「アナドル」なる言葉も生まれる。

男性向け雑誌の巻頭グラビアを飾る女性たちは、アイドル歌手隆盛の1980年代までは主に「水着ギャル」という呼称で、アイドル歌手よりも格の低い仕事と見られがちであり、有名になるためのステップとして歌手デビューは半ば必須条件であった。この傾向は1990年代後期まで続くが、アイドル産業の分業化がより進んだことや、DVDという新たなステイタスを得たことで、「グラビアアイドル」という言葉が一般化するようになり、それを目指す女性も増加し、今に至る。
グラビアはある意味、名前を売るためのプロモーション手段という見方を業界もファンもしていたのだが、女性の立場から抵抗が消えていくことで、グラビアを専業(生業)としたいタレントが増え始め、そのため次の世代が育たないという問題も生じつつある。

ポルノ映画がアダルトビデオにリプレースされることにより、日活ロマンポルノの支持層であった大学生らが宇宙企画などのAVギャルをアイドル視するようになる。加えて、その予備軍が登場する雑誌なども登場し、本来のアイドル(予備軍)との区別が付きにくくなってしまう。これは現在でも形を変えつつ存在する。

「アイドル冬の時代」においても、近い手法でブレイクしていくパターンは往々にしてあった。例えばそれはビーイングZARDであり、後の倉木麻衣であり愛内里菜である。またavex安室奈美恵持田香織であり、後の浜崎あゆみ倖田來未である。
これらの多くは時代的に多様化したアイドルのステレオイメージを避けながら人気を勝ち得た者たちであるが、その中でも森高千里Winkは正攻法で売れた数少ないパターンであり、これが後のハロー!プロジェクトの礎となっていく。

そんな中、山口百恵の頃から、いや吉永小百合の頃から延々と脈打つ若手女優(アイドル女優)の「永遠の17歳」的世界観は、変わらず安定しており、いつの時代もスターを生み出している。

「アイドル冬の時代」の雪解けについては、広末涼子のブレイク、SPEEDのそれ、モーニング娘。のそれ等、ファンの立ち位置によってそれぞれの思いがあるが、特に決定的な定説は存在しない。アイドル産業全体を見渡せばアイドル全般が地盤沈下したという見方をしないファンもいる。ただ「アイドル冬の時代」=「アイドル歌手冬の時代」であることは間違いない。

以上のことから、若手歌手がイメージの低下を嫌い「アイドル」という言葉を使用しなくなる一方で、ネクストブレイクを狙っている「グラビアアイドル」や「ジュニアアイドル」が主に「アイドル」を好んで使用するようになる。
一方、「ジャニーズ」や「Hello! Project(ハロプロ)」は、過去の「アイドル」に一番近い存在であるにも関わらず、メディアでも固有名詞を優先することもあり、「アイドル」という言葉を積極的には活用していない。同様に俳優も「イケメン」という言葉が型にはまる様になったことで、「アイドル」は主に女性を指すようになる。

サッカー人気の復権や、大リーグ人気、BS/CSで海外スポーツが広く見られるようになったことで、海外選手への関心が高まり、スポーツ誌も続々創刊されたが、その際のインタビュー記事などで往年のスター選手を「アイドル」と表現しており、本来の意味も浸透しつつある。

これに加えて、「バッシングやスキャンダルとアイドル」「アイドルの適性年齢と各年代のアイドルの楽しみ方」あたりを加えると、アイドルについての本が一冊書けるね。

昨日の夜1時間程度で書き上げて、今読み直しているんですけど、1990年あたりを境として、ガラッと変わってしまう様に読めちゃいますね。
また意地の悪い人間がこれを読むと、歌手衰退に伴って、今まで彼ら(=アイドル歌手界)から軽視・蔑視されていた諸ジャンルが、今の隙にと「アイドル」のいす取りゲームを始めちゃった様にも読めるかもしれません。

これが済んだら、今度は「アイドルポップス」かな。