フットサルチームのそれぞれの存在意義について(その4)

どういうルートでなのかは定かではないですが、サッカーファン向けのニュースサイト「サポティスタ」にリンクを貼られちゃいました。
4千万ヒットのサイトですか(苦笑)。

以下はそこから来た方向け。

        • -

まず、スポーツの「エンタテインメント性」について。

「エンタテインメント」と聞けば、まずはWWE等のプロレスを連想しますよね。 長年レフェリーとして活躍したミスター高橋氏も告白していますが、基本的にはレフェリーが試合をコントロールしています。
(そう言えば「Jリーグ」も駆け出しの頃はレフェリーが随分コントロールしてくれましたよねえ...)
まあ「八百長」って言葉は自身プロレス好きなので使いたくはないですが、「エンタテインメント色」が極めて高いのは事実です。

ただ今回私が表現している「エンタテインメント性」は、それとは異なるものです。

多分に多くのサッカーファンがスカパーに加入していると思いますが、その中でも「J SPORTS」は特になじみの深いチャンネルだと思います。
私は「ツール・ド・フランス」をはじめとしたサイクルロードレースも好きでその「J SPORTS」をよく見るのですが、そこで「全ての選手やチームが総合1位を目指しているのではない」という哲学を叩き込まれましたね。これはNHKやフジでやっていたダイジェストではなかなか見えてこないことです。
20チーム程度が参加するツールの場合、総合を狙いに良くチームはせいぜい5チーム前後で、山岳賞を取りに行くチーム、ゴールスプリントに賭けるチーム、そしてそのどこにも属さないチームはスポンサーの為により多く時間画面に映ろうと逃げを決めるなど、それぞれのチームにカラーがあります。また有望な新人を他チームに売り込むことを目的としたチームもあります。それぞれの目的をもった選手およびチームは他の目的を持ったチームを阻害することはありません。総合を狙う選手は途中にある山岳賞は必要ないですから、足が余っていてもそれは譲ります。
また「このステージはある主要な選手の思い出の場所」ならばその選手に花を持たせてあげることも平気でします。ちなみに「思い出の場所」とはすなわちチームメイトが落車して命を落とした場所だったりします。
総合1位と有望な若手選手が山岳ステージで逃げた場合、そのステージの勝利を若手選手に与えることもします。
また重要選手が落車した時、レースが動いていない限りはスピードを意図的に落とします。ここで逃げたら相当な非難を浴びます。
これらは日本語で表現すると「空気を読め」というやつですね。この暗黙の了解があってこそ、スポーツの「エンタテインメント性」が成り立つのです。

F1でも佐藤琢磨がホンダを追い出されたのも「空気が読めなかった」のだと思います。彼は総合優勝を目指す選手ではないのですから、あまり奇を狙わずバトンのアシストに徹していれば、スタッフだけではなく他の選手からの信頼関係も芽生え、鈴鹿では表彰台を与えられていたかもしれません。
(余談ですが、純正な日本チームに移籍することは彼にとっては幸せでしょうが、大会全体にとって幸せかは何とも言えないです。)

サッカーでもありますね。最近「エンタテインメント性」を強く感じたのは、なんと言ってもカズのシドニーFCへのレンタル移籍。
多分にリトバルスキーは彼がW杯に出場できなかったことを知っていたのでしょうね。
でなければ、果たして彼を呼ぶ必要があったのかは疑問です。

とまあ、ヨーロピアンスポーツの「エンタテインメント性」とはこんな感じです。日本でも駅伝のアンカーをベテランや功労者に任せるのもそれに近いことです。
米国の場合の「エンタテインメント性」は役割分担(スペシャリスト)を持たせることがより強調された形になっています。野球やアメフトがそうですね。

        • -

次に、女子タレントフットサルの簡単な経緯を。

2003年秋〜
フットサル振興を目的とした「エキシビジョン性の高いコンセプト」で始まったのが女子タレントのフットサルです。2004年春まではいわゆる一般大会に出場したり、イベントにてエキシビジョンマッチをおこなったりという、原点に沿った活動が中心です。確かフジで単発ドラマもあったよね。

2004年夏〜
タレント同士の大会がスタートします。寄せ集めチームも多くレベルは低いのですが、そのため感情移入しやすく、キャラクター性の極めて高い楽しい大会ばかりでした。

2005年春頃〜
動員数が安定し運営の目処がついてくると、真剣勝負の度合いが高くなってきます。
それにつれて、本来はピエロ的な役割を持っていたであろうチームも含め、皆が勝負に「固執し始める」ことになってきます。

        • -

ここからが本題。
その「固執し始める」原因を簡潔に述べると...

  • リザーブリーグ(2部リーグ)制の採用
    (これは単純に時間の都合です。)
  • スフィア「リーグ」と名称が付いているが実態は一発勝負のトーナメントだということ
    (これも時間の都合。さらにトーナメントでふるわなかったチームが2部に落ちます。)
  • 各チームにスポンサーが付いていること
    (ガッタスは「すかいらーく」、ホリプロ和田アキ子つながりで「永谷園」など。)
  • 「傭兵」と揶揄される「助っ人」にすがるチームが増えたこと
    (これはどちらかと言うと間接的な原因だと思います。)

...なのですが、プロの選手でもこれは相当なプレッシャーがかかりますよね?
ながらで練習しているタレントに、このシステムは酷すぎます。
これが猫も杓子も必死になってしまう原因です。

スポンサー付きユニフォームの禁止やチーム数の削減は非現実的な話なので実現不可能だと思いますが、少なくとも2部制は廃止すべきです。理想は完全なリーグ制ですが、時間の都合があるのならば前回大会の上位チームをシード化しトーナメントをすればよいだけの話です。

さらにこの意見に先ほどの「エンタテインメント性」を加えてみます。

「傭兵」と揶揄される「助っ人」にすがるチームが増え...ということで、本来ならば可愛い女の子がひたむきにフットサルをやってる姿に「萌え萌え」の筈が、さほど可愛くもないチームのおかげで「萎え萎え」状態になりつつあるのが現状だと思います。
そういう意味で「空気を読め」というのがまず一つ。これは解りやすいね。

もう一つは誰が主役かということ。
現在、平日開催ながらMAX5〜6千人程度の集客力があるタレントフットサルですが、その観客の殆どがハロプロファン。ハロプロファンの出ない大会は事実上運営不可能であるとも言えます。一方、チームによっては新人タレントの名前を売ることが目的のチームもあり(「カレッツァ」「chakuchaku J.b」「FANTASISTA」)、そのようなチームと二人三脚的に今まで頑張ってきたのですが、今のルールでは資本力のある企業や大手プロダクションによる新興チームに有利な展開です。彼らには有望なスポーツ選手をピックアップする能力(コネクション)があるだろうから。
(ちなみに北澤豪監督率いるガッタスも当然ながらそういったコネクションがあると思いますが、それ経由での選手はおりません。サッカー経験者もおりますが、タレント同士の大会以前に行われた(タレントの卵)オーディションの中から選らばれています。)
ただ、大手プロダクションの中には「TVの中の有名人」と「集客力のある歌手」はイコールではないということが判っていないところがある...かもしれないです。ハロプロは興行主体の音楽事務所(後者)、他の多くはタレントエージェント事務所(前者)、地上波ゴールデンタイムのレギュラー番組で中継でもして新規顧客を開拓しない限りはこの傾向は一向に改善しないでしょう。

とまあ、ここはハロプロファンのblogですのでガッタスを守るために書いているのだと思われがちですが、「ガッタス」とともにフットサルを盛り上げてきた「chakuchaku J.b」「FANTASISTA」が2部に落ちちゃっているこの状況が果たして望ましいことなのか?という意識の方が今は強いです。
さらに主役である「ガッタス」が2部に落ちたりしたら...ハロプロファンは盲目的に応援している訳ではありませんので、特に地方大会は悲惨な動員数となるでしょうね。その時あわてて「リザーブリーグ」を廃止しますなんて言ったら目も当てられません。
いや、システム上「リザーブリーグ」は廃止できないことから、前回のW杯のベスト4になった某国のようなキナ臭い試合が横行する可能性も否定できないです。こうなるともう「エンタテインメント性」以前の話。
なので早いうちに大会関係者は「空気を読め」とゆいたいです

この状況ではハロプロには旨味はほとんど無いんですよね。閉じた世界で集客力のない他事務所の話題作りの手助けだけをする必要はないんです。そんなことより本業の歌手の方をしっかりやって、その知名度で一般大会にお客さんを引き連れて来ることの方が本来の筋道なんです。
ただ、それは他のチームも重々承知で、その延長線上にあるのが年末から始まるミュージカル「ピヴォ☆ガール」なんだと思います。
なので尚のこと大会関係者は「空気を読め」とゆいたいです

        • -

最後に。
フットサルを展開している事務所は常に以下のことを頭に入れておいて欲しいです。

  • そもそもタレントに上手さや強さを求める必要があるのか?
  • タレント未経験のフットサル要員はブームが去ったらどうするのか?
  • 人気のないチームが強くなると集客力が一気に落ちるのではないか?
  • 閉じた大会に固執してしまうと、本来の原点であるフットサル振興の理念を忘れてしまわないか?

今日はここまで。