ハロプロ関西/「本橋ストリートフェスタ アイドルちゃんぷる」(その4)

希さん

先日の信長書店イベントのセットリストについて、他出演者ファンの貴重な声を間接的に聞くことができた。それによると、「ハロプロってついてるから知ってる曲をやってくれるのを期待したのに…いつもこんな曲ばっかり歌ってるの? SEXY BOYとかノリのいいのを聴きたかった」だとか。

なるほど。
こういった話はとても助かります。

以下は、希さんへのレスでもあるのですが、現場から遠い方にも分かるよう、解説込みで展開していきます。なので希さん的には判りきった話を繰り返しているかもしれませんが、ご了承願います(笑)。

何故このようなレパートリーになったのか?...ってのは想像の域を越えることはありませんが、理由として考えられそうなののは三つ。

一般論的にパッと思いつくのは、この手の会場でありがちな「床が抜けるのでジャンプ禁止」を配慮したケース。ただそれなら事前アナウンスで徹底すればいいだけの話ですし、他のユニットもハロプロ曲を披露しているので、理由としてはちょっと薄いですよね。

あるいは「インディーズアイドルとは昔のアイドル歌手の曲をやる集団」という軽い認識があったのか。ただそれは四谷などのライブハウスで展開している(主におっさん相手の)いわゆる「地下アイドル」であって、今の主流はそうじゃないですよね。それに、オケ(オリジナル?流用?)を用意する以上は、そういう軽い認識以上のものがあったのかもしれない...

とまあ、この二つはちょっと可能性が薄いかな。もう一つは後半で(笑)。

この思いはハロ関のファンについても同様。ベリキューから「下りてきた」中高生のファンが現場に増えつつあるという現状もあるし、やっぱり「知らない曲ばかりではつらい」と。

(中略)

それに、やっぱり「"ハロプロ"だったら○○してくれる」というイメージが世間的にできあがっていて、それは、ハロプロの冠をつける以上は当然、ハロプロ関西にだって求められる。初めて見る人ならなおさらのこと。アップフロント関西サイドとしては「客層に合わせてみた」のか、あるいは「ハロプロカバーユニットMarry Dollとの競合を恐れた」のかもしれないけれど、どうやらミスマッチを起こしているみたい。「Marry Dollの方がノレた」という意見もあったしなぁ…そうだろうな。

中高生ファンもそうですし、彼女達とほぼ同年代のインディーズアイドルユニットのメンバー達も結構好きですよね。>ハロプロ系楽曲
最近はそれにAKB48も加わっている感じではあります。この現場の女の子達はマニアの領域なのかもしれませんが、ただ下のエントリー(写真集ランキング)の20歳代では、ほぼブレイクに等しいセールスとなっています。まあドーピングが酷すぎるってのもあるかもしれませんが、全国展開の効果が徐々に表れてきた...とも言えなくも無いです。
中高生ファンが増える要因としては、「ミニモニ。世代」云々で片付けることが出来るかもしれませんが、この世代向けのカラオケで盛り上がれる最新ナンバーがハロプロ系とAKBなどに限られてしまう現実がある。
なので、これはチャンスでもあるのですが、FC会費やライブ+グッズなどの高い活動費と、テレビや雑誌などの全国展開の薄さで、相当数の取りこぼしがあるのが現状。地方ではAKBとの逆転現象がおきつつあるかもしれません。いわゆる「チャンスはピンチなんだよ!」ってヤツだね(笑)。いや笑い事じゃないですね。

この世界を目指している女の子たちも、2004年頃までは「SPEEDめざしてます!」みたいな子も多かったですが、今はダンス主体で頑張っている子を除くと、目指すものはこっちサイドが多くなってきている。それは嬉しい反面、やり難さはあるかもしれません。
これを男性アイドル歌手に置き換えると、「ジャニーズJr.」と「他社のデビュー前の若手歌手候補」が一緒のイベントに出る...なんてことはまず無いか(苦笑)。でも、仮にあったとしても「ブルドッグ」は歌わせないだけの凄みがある。ハロプロはその域にまでは達していないし、そこまで至る必要があるのか?...ってのは別の話になると思いますが、まあ堂々としていればいいかなとは思います。
もし「競合」を避けるのならば、モーニング娘。ならばファンの年齢層がやや高く、インディーズでもローティーンやミドルティーンのユニットではあまりやらないと思うので、「SEXY BOY〜」や「Go Girl〜」あたりは普通にやっても良かったかな...なんて思います。

ここまでは割と表面的な話しですが、以下は三つめの「理由」予測です。
(まあ今までのまとめ風味なんですが...)

これはバランスの問題かなと思う。最近の、ノリだけで押し切れるタイプのJ-POPよりもハロプロ以前の90年代初期アイドルポップスの方が歌の勉強には適しているので、そこに挑戦していくこと自体は良いことだと思うけれど、ファンがついてこれないのは不幸だ。

ライブレパートリーを増やす上で一番楽で効果的なことは、ハロプロ内での過去の楽曲の掘り起こしですよね。例えば、℃-ute太シスボンバー(笑)の曲をレパートリーにしましたが、あんな感じです。
ただハロ関は4人ですので、ライブでのバリエーションを増やすには、人数を増やすという選択肢は現実的ではないでしょうから、ソロ(あるいはデュオ)レパートリーを増やすことの方が大切かなとは思います。

当然ながらハロプロにもソロシンガーがおりますが、個性的な印象が強すぎて、またファンも目が肥えすぎていて、どんなに頑張っても常に比較がつきまといます。
そうなると過去のアーティストまで遡った方が良いかもしれない。でもあまりにも昔過ぎると今の音楽性とは合わない。その点では1980年末期〜1990年代初期以降のアイドルポップスは、歌謡番組が衰退した反面、ビッグバンド形式の歌謡曲を脱することで、今のアイドルポップスの礎になっていますので、扱いやすさはある。
またハロプロは「フォークソングシリーズ」や「童謡シリーズ」にはじまり、ダブルユーのアルバムや「歌ドキッ!」の様に、割とカバーにウェルカムな姿勢があるのもやりやすい。

とまあ、THE ポッシボーが(時東ぁみ用に用意されていた)カバー曲で評判が良かったナンバーを自身のレパートリーとして昇格させたように、ハロプロ以外の楽曲を探すのも手ですし*1、大阪の有名どころにオリジナル曲を作ってもらうのもありですし、いわゆる未発表曲でもいい。どんな手段でもいいですので、コピーバンド的存在ではなく、「今、自分達はこの曲を持ち歌にしています」と言える何かが欲しい...といった段階に到達しそうな勢いではありますね。

ただ、プロセス的には、自前のイベントで披露し、慣れたところで「持ち歌」として外で披露する...というのがセオリーなんでしょうけどね。その順番が狂ったことが大きいかな。

*1:そう言えば、時東ぁみのベスト盤と同時発売予定のオリジナルアルバムがあったんですよね。発売中止になったようですが。確かファンクラブ向けにカバー曲募集企画があったような...