ビルボード日本版(その2)

希さん
亀トラバで申し訳ない(苦笑)。

同発他曲と違って18位が初登場だから、発売前のエアプレイでのランクインはできなかったということになる。やっぱりBillboardだとハロプロは厳しいな。ちなみにBillboardのシングルセールスのみのチャートでは12位(オリコンでは6位だったが)。

なるほど。
どの局のどの番組かが判れば対策がとれそうですね(苦笑)。

あと、Billboardの集計方式でもやっぱりランキングの乱高下は発生するな。これが今の日本の音楽市場特性だとしたらしかたないことだな。

そうですね。チャートの比率(売上枚数:ラジオOA数)を調整したり、新たな指標を作らないと個性と信頼は生まれなさそうですね。

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以下は参考まで。
ビルボードに関する情報はwikipedia:ビルボードを読むと理解できそうですが、ちょっとややこしそうなので要旨をまとめます。
米国の場合、人種によって音楽文化が大きく異なるようですね。

白人層
支持するロックミュージシャンの多くがアルバム志向のため、シングルはあまり買わない。
CHR局*1を好む。
ビルボードは永らくシングルカットしないとチャートインできなかったことから、アーティストはアルバムリリースと同時(あるいは事後に)シングルカットする傾向がある。が、あくまでもアルバムのプロモーションとしての位置付けである。シングルレコードは安価でさほどの利益が出ないため重視されない。

黒人層
彼らが好むダンスミュージックには、アルバムコンセプト的な要素は少なく、逆にシングル志向が強い。

いわゆる50'sなどのオールディーズナンバーはシングル曲中心でしたが、これがアルバム志向となったのは自作自演の楽曲を揃えていたビートルズ時代の1966〜8年頃からで、ブラックミュージックもアルバム重視のアーティストが有利ではありました。マイケル・ジャクソンなんて正にそうですね。
私自身1980年代の中頃に3ヶ月間ほどロスに滞在しておりましたが(保険金目当てとかではない(苦笑))、確かにレコードショップに行っても「シングル売場は何処?」って感じでした。CDも量販店で$11〜13でしたし、私自身ビートルマニアなので米盤シングルを買い漁った際も1枚$2程度か、それ以下のものあった様な。
そして、順位が上昇していくカラクリはCHR局へのリクエストがモノを言う感じですかね。ロスだと「KIIS」ですね。ヒットチューンを軽快なDJとともにひたすらガンガン流しつづけるといった感じです。

ただ、1991年にチャートの比率を変えた以降、ロック系よりシングルセールの良いダンスミュージックが有利になったことで、白人層向けのCHR局がライバルの「ラジオ&レコーズ」(テレ朝の「ベストヒットUSA」で使用されているチャート)に切替え、ビルボード離れが進んだのだとか。一方ビルボードはチャートの比率を調整したり、「ラジオ&レコーズ」を買収したりと試行錯誤を続けている模様ですが、Wikipediaを読む限りは上手く行っているか疑問ですね。

日本の場合はラジオ局が(あちらから見ると)極端に少なく(米国の放送局数はwikipedia:北米と中米のラジオ放送局の一覧参照)、さらに多くはネット局ですので、レコード会社のプロモーション寄りで、民意が充分に反映されていないかもしれません。また米国では「AMはニュースやトーク中心、FMは音楽中心」ですが、日本の場合はそのあたりがはっきりしません。さらに「演歌・歌謡曲はAM局、J-POPはFM局」という癖を理解していない可能性もあるし、気付いてもバランスが問題視されるかなとは思います。
さらに、私的には地方局や有線放送のリクエストチャンネル、コミュニティFM局まで視野を広げないと難しいかなとは思います。

ちなみに、日本のチャートは1980年代まではオリコンよりもTBSの「ザ・ベストテン」の方が広く知られており、この番組の復活を望んでいる人が未だに多いようですが、それは番組へのリクエストハガキのウエイトが高かったことが大きいと思います。なので日本の現状ではこういったチャートを仕掛けていかないと、音楽産業的にはジリ貧になるかもしれないですね。
ただ、番組が復活したとしても、固定ファンの強いところが上位...というか常連にはなりそう。下手したら年間の殆どの週の1位をジャニーズ勢が独占して、ハロプロ勢は常に3〜6位あたりをウロウロする...という感じにはなるでしょうから、固定層があまりにもやりすぎると視聴率で苦戦しそうですね。でも生で歌ってくれるのは魅力的で、「このアーティストの歌う姿を見たい」という純粋な欲求があれば上手くいくと思います。最近UFWに移籍(?)した「アツキヨ」は正にそうなるかなとは思います。
仮に木曜21〜22時放送ならば、自主規制も緩和しないといけませんね(苦笑)。

*1:「Contemporary Hit Radio」の略で、ヒットチャートを中心に流す局。「TOP40局」とも言う。